研究課題/領域番号 |
21K14795
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岸本 真治 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40814330)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アズラクトン / NRPS / Aspergillus / CTドメイン / ベンゾフラン / フミマイシン / 酵素反応 / 糸状菌二次代謝 / 構造多様化 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的にかびと呼ばれる糸状菌は様々な化合物を生産することが知られている。この化合物の生産に関与する遺伝子を生合成遺伝子と呼ぶが、一般的に一つの化合物の生産に関与する生合成遺伝子はゲノム中の同じ領域に集まって存在している。しかし、中には複数の遺伝子領域に存在する遺伝子が関与して生産される化合物も存在し、そのようなケースではどのようにして化合物の生産が制御されているのか未解明であることが多い。本研究ではそのような例であるフミマイシンやレントフラニンの生合成機構を遺伝子操作や酵素反応によって明らかにすることで、複数の遺伝子領域に存在する遺伝子が関与する化合物生産についての理解を深める。
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研究成果の概要 |
我々がヒト病原性糸状菌であるAspergillus lentulusから発見した新規化合物レントフラニンとフミマイシンの生合成研究を行い、これらの化合物が反応性の高い化合物アズラクトンの一種であるフマリルアズラクトンを経由して生合成されていることを明らかにした。これまでに天然における存在が報告されていないアズラクトンの発見と、一般的には環状ペプチドを合成する非リボソームペプチド合成酵素がアズラクトンを合成していることの発見により、微生物の有する複雑な物質生産システムの一端が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アズラクトンは有機合成で生じさせることができるものの反応性が高く容易に分解してしまうため天然において生産されているとは考えられていなかった。さらに、天然物の母骨格の生合成を担っている非リボソームペプチド合成酵素がこのような高反応性の化合物を生産することも予想外のことであった。本研究で達成した発見はこれまでの天然物生合成の常識を変えるものであり、学術的な意義は大きいといえる。 また、アズラクトンから二種類の骨格の異なる化合物が生合成されるという発見をもとに、人類にとって有用な新規化合物の発見や創出が可能となると期待される。
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