研究課題/領域番号 |
21K14817
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
織 大祐 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70709287)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ACA / 急性肝炎 / 炎症 / 敗血症 / ARDS / 自己炎症性疾患 / 自然免疫 / 炎症性疾患 / 代謝性疾患 / インフラマソーム |
研究開始時の研究の概要 |
東南アジア原産ショウガ種の成分の一つである1′-Acetoxychavicol acetate (ACA) には、抗腫瘍効果や抗アレルギー効果など、ヒトの疾患に対する効果が報告されており、医薬品として有望視されている。また、ACAを含有するナンキョウは、香辛料として用いられているとともに、伝統医薬品としても用いられてきた。しかし、その詳細な機能および作用機序は現在も明らかになっていない。本研究では、ACAのインフラマソーム活性に対する機能を評価し、その作用機序を明らかにする。また、代謝性疾患などのモデル動物を用いてその効果を検証することで、インフラマソーム関連疾患に対する有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
前年度の研究では、東南アジア原産のショウガ種に由来する成分である1'acetoxychavicol acetate (ACA) の個体における効果をより詳細に明らかにするため、複数の疾患モデル(LPSを用いた急性呼吸窮迫症候群モデル [ARDSモデル] および敗血症モデル) を用いて解析を行い、ACAが両モデルにおいて病態および生存率の改善効果を示すことを示した。 本年度は、アセトアミノフェン誘導性急性肝炎モデルを用いてACAの効果の検証を行った。マウスに対してACAを投与した後、アセトアミノフェンを用いて急性肝炎を誘導したところ、プラセボ群では約40%のマウスしか生存しなかったのに対し、ACA投与群では全てのマウスが生存した。肝臓の肉眼所見およびHE染色像においては、肝臓における傷害の低減が観察され、また、これらの観察と一致して、肝細胞において生成される酵素であるASTおよびALTの血中濃度の低下も観察された。さらに、肝臓における炎症性サイトカイン遺伝子発現や血中の炎症性サイトカイン濃度の低下も観察された。これまでの研究で、ACAはROS産生を抑制することでその効果を発揮する可能性が示唆されていることから、肝臓のKupffer細胞に注目し、ROS産生を評価したところ、ACAはKupffer細胞においてROS産生を抑制することが明らかになった。これらの結果から、ACAは急性肝炎において、Kupffer細胞における酸化ストレスを低減することでその病態を軽減する可能性が示唆された。
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