研究課題/領域番号 |
21K14821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
窪田 篤人 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (70879931)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 芳香族炭化水素受容体 / 成分栄養療法 / 制御性T細胞 / Treg |
研究開始時の研究の概要 |
我が国における炎症性腸疾患 (IBD) の患者数は年々増加しており、食の欧米化など環境変化の寄与が示唆されている。治療は免疫抑制剤などの薬物療法に加えて、消化が不要な成分栄養剤が汎用され、その臨床的な有効性が確認されている。しかし、多成分系である成分栄養剤の抗炎症作用機序は殆ど分かっていない。我々は成分栄養剤の炎症制御機構を明らかにすべく、投与後の腸内細菌叢の変化と腸内細菌叢産生物に焦点を当てた。炎症を抑制するTregを誘導する短鎖脂肪酸及びTrp代謝産物などに着目し、成分栄養中の有効成分と炎症制御機構について詳細に明らかにする。さらに有効成分を強化した改変成分栄養療法の有効性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)の病態には、炎症を抑制する制御性T細胞(Treg)が関与することが報告されている。Tregは芳香族炭化水素受容体(AhR)によって誘導されるが、成分栄養(ED)に含まれる複数の化合物やその代謝物についてレポーター細胞株を用いてAhR活性を測定した。その結果、EDに豊富に含まれるトリプトファンの代謝物がAhRの強力なアゴニストになる事を見出した。その活性は、IBD治療のキードラッグである5-ASAの2~4倍であり、Tregを誘導し、IBDモデル動物の炎症を抑制する事が明らかとなった。以上の結果は、EDが保存的治療のみならず炎症制御機能を有する事を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成分栄養療法(ED)は、IBDにおける消化管の保存的治療や栄養補充として経験的に用いられてきた。一方、近年の臨床論文ではEDに炎症制御作用を示唆するものが複数散見される。本研究では、EDに含まれるトリプトファンが生体内で代謝されAhRを介しTregを誘導する事を見出した。これは、EDがIBDの炎症を抑制し治療に貢献し得る事を示す基礎的エビデンスとなる。EDによる炎症制御機構が明らかになったことから、今後のIBD治療における成分栄養療法の立ち位置を変え、新たな薬物-栄養相互作用など発展的な研究の基礎となると予想する。
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