研究課題/領域番号 |
21K14823
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
本田 真己 名城大学, 理工学部, 准教授 (60824191)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カロテノイド / アスタキサンチン / リコピン / 異性化 / 光照射 / 加熱 / 固体触媒 / 物性変化 / シス-トランス異性化 / 反応制御 / 非加熱処理 / 光異性化 / グリーンケミストリー / 非加熱技術 |
研究開始時の研究の概要 |
カロテノイドはシス-トランス異性体間で体内吸収性や生理活性に加え、物理化学的性質(溶解度、結晶性、色価など)が大きく異なる。よって、用途や加工の種類に応じて適切な異性体を選択し、使用する必要がある。本研究は、カロテノイドの異性体比率を任意に制御できる技術を開発し、その技術を様々なカロテノイド加工に活用することで、加工の効率化や素材の付加価値向上を図ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
加熱、光照射、触媒添加を駆使して、カロテノイドの異性化反応を効率的に促進できる条件を見出した。これらの異性化手法は、食品や化粧品への応用を想定し、毒性の低い溶媒や固体触媒を用いて確立された。さらに、加熱と光照射による異性化手法を組み合わせることで、カロテノイドの異性体比率を任意に制御できる技術を開発した。また、異性化技術を活用して、カロテノイドの物性を制御し、様々な加工(抽出、製剤化、結晶化)効率を改善できることを実証した。加えて、高体内吸収性のシス型カロテノイドは、天然の存在形態であるトランス型と同等以上の生理活性を有することを種々のin vitro試験により示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在市場に流通しているカロテノイド製剤は、体内吸収性が低いトランス型である。また、カロテノイド素材は価格が高いため、消費者が気軽に摂取できない状態である。本研究で確立したカロテノイドの異性体比率ならびに物性の制御技術の活用により、高吸収性かつ低価格なカロテノイド素材の製造を実現できる可能性がある。また、カロテノイドは摂取後に生体内でトランス型からシス型に異性化されることが報告されているが、そのメカニズムは不明である。今回、シス型カロテノイドはトランス型と同等以上の生理活性を示すことを明らかにした。これらの知見は、シス型カロテノイドの生体内における存在意義(役割)を明らかにする上でも重要である。
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