研究課題/領域番号 |
21K14826
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西 宏起 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (90845653)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アミノ酸 / オルニチン / アミノ酸シグナル / 栄養シグナル / 肝細胞 / 脂質代謝 / 代謝制御 / 栄養センシング / 脂質蓄積 / 尿素回路 / 物質代謝 / タンパク質栄養状態 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質/アミノ酸は生物のあらゆる体構造と生命現象の基本となる分子で、生物は自身の栄養状態を適切にモニターして応答する必要がある。申請者らはこれまでに、タンパク質栄養状態が動物の肝臓の尿素回路に大きな影響を及ぼし、その中間代謝物オルニチンが種々の物質代謝を調節する生理活性を有することを発見した。本研究ではこのメカニズムを仲介する因子を探索・同定し、その生理機能を解明する。これは従来窒素代謝経路の一部と見なされてきた尿素回路が実際にはより能動的に栄養センシングと物質代謝制御に関与する可能性を示すのみならず、栄養素や関連する代謝物による新しい代謝調節機構の解明にもつながる。
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研究成果の概要 |
オルニチンを共有結合させたビーズの作製に成功し、十分な収量が得られた。それと、ラット肝がん由来H4IIE細胞の細胞抽出液を混合し、質量分析に供することで、オルニチン特異的に結合する複数のタンパク質の取得に成功した。H4IIE細胞を用いたそれらのタンパク質の機能解析は現在鋭意進行中である。 一方で低タンパク食給餌したキイロショウジョウバエにおける脂質蓄積の解析については、原因不明ながら研究途中で実験系の再現性が不安定になってしまったため、現在その原因を究明するとともに実験系の再構築を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物個体や細胞がアミノ酸の有無に応じて様々な代謝応答を示すことは広く知られている。しかし細胞が具体的にどのような仕組みでアミノ酸に応答しているのかは一部の例を除き大部分が不明である。本研究成果は、細胞がアミノ酸を認識する過程でその代謝産物の一種であるオルニチンをシグナル仲介因子として利用するという仮説の下、そのシグナルの伝達に関わるタンパク質の同定に成功した点で、仮説証明に向けた大きな一歩である。この成果はアミノ酸による代謝制御の詳細な分子メカニズム解明の礎となり、日々の食を介した人々の健康増進に寄与すると期待される。
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