研究課題
若手研究
NLR型抵抗性遺伝子にみられる特異な進化様式に着目し、病原菌エフェクター標的因子の同定を進め、その育種利用を目的とする。イネNLR型抵抗性遺伝子には、Integrated Domain(ID)を介していもち病菌の非病原力エフェクターを認識するNLR-IDの構造を持つ遺伝子が存在する。IDは、NLRの進化過程で挿入された宿主の他の遺伝子産物と考えられる。IDは本来、病原菌エフェクターの標的として存在しているが、NLR-IDにおいてはDecoy(囮)として機能していると推察される。そこで、Oryza属におけるIDの多様性を明らかにし、IDと高い配列相同性を持つ宿主タンパク質の機能解析を行う。
イネのNLR型抵抗性遺伝子の中には、Integrate Domain(ID)を介していもち病菌の非病原力エフェクター(AVR)を認識するNLR-ID構造を持つ遺伝子が存在する。IDはNLRの進化過程で挿入された宿主の他の遺伝子産物、またはその一部と考えられる。IDは本来、病原菌エフェクターの標的として存在するが、NLR-IDにおいてはDecoy(囮)として機能していると推察される。そこで、Oryza属におけるIDの多様性を明らかにし、IDと相同性の高い配列を持つ宿主タンパク質の機能解析を行うことで、未知の多い病原菌の感受性誘導機構の解明に繋げるとともに、耐病性育種に大きく寄与する。
Oryza属に含まれる種の167系統に対して、NLR-IDの一つであるPias-2の対立遺伝子産物が持つIDの種類と分布を調査した。その結果、Aゲノム種が持つIDとしてDUF761およびHMAが優占し、これらのドメインを有するイネタンパク質(HpsID: Host protein similar to ID)は病原菌エフェクターの重要なイネ標的因子(=罹病性遺伝子)になりうると考察した。これまでに、HpsID欠損イネにおいて、親和性いもち病菌に対して抵抗性が付与された系統が見られている。NLR-IDは、イネ以外の植物種にも存在することから、同様の手法により罹病性遺伝子の単離が可能である。
すべて 2024 2023 2022 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 10件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
育種学研究
巻: 26 号: 1 ページ: 67-72
10.1270/jsbbr.26.W03
bioRxiv
巻: -
10.1101/2024.02.16.580620
巻: 1 ページ: 1-10
10.1101/2024.01.20.576400
The Plant Cell
巻: 36 号: 2 ページ: 447-470
10.1093/plcell/koad266
Molecular Plant-Microbe Interactions
巻: 36 号: 11 ページ: 716-725
10.1094/mpmi-06-23-0078-r
eLife
巻: 12 ページ: 1-10
10.7554/elife.81123
Breeding Science
巻: 73 号: 5 ページ: 421-434
10.1270/jsbbs.23032
10.1101/2023.09.26.559445
Scientific Reports
巻: 13 号: 1 ページ: 8599-8599
10.1038/s41598-023-35205-5
PLOS Biology
巻: 21 号: 1 ページ: 1-10
10.1371/journal.pbio.3001945
Genes & Genetic Systems
巻: 97 号: 5 ページ: 229-235
10.1266/ggs.22-00002
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 119 号: 27 ページ: 1-10
10.1073/pnas.2116896119
PLOS Pathogens
巻: 18 号: 9 ページ: 1-10
10.1371/journal.ppat.1010792
10.1101/2022.06.14.496076
10.1101/2022.10.21.512921
New Phytologist
巻: 236 号: 4 ページ: 1441-1454
10.1111/nph.18439
巻: 1 ページ: 1-34
10.1101/2020.12.01.406389
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-07-22-2