研究課題/領域番号 |
21K14838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
竹島 亮馬 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 研究員 (70806603)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日長反応 / 遺伝解析 / 普通ソバ / QTL / 生態型 / 成熟期 |
研究開始時の研究の概要 |
普通ソバは結実・成熟の早晩性における日長応答性の違いから3つの生態型―感光性の弱い夏型・強い秋型・中間型―に区分される. この感光性の差は, 他の多くの作物と異なり, 開花期ではなく開花後の結実の可否および成熟の早晩性に影響する. 本研究では, 開花期とは独立してソバの結実・成熟期を制御する遺伝子を, 生態型が異なる親由来の交雑集団を用いたQTL-seqや世界のソバ遺伝資源を用いたターゲットリシーケンスにより同定する.
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研究実績の概要 |
普通ソバは短日植物とされているが様々な緯度で栽培されており、各地域・作期に応じた生態型に分化している。ソバの生態型は、日長応答性の違いから3つの型―感光性の弱い夏型・強い秋型・その中間型―に区分される。生態型の改変は、ソバの栽培地域・作期の拡大に必須であるが、これまでにソバの生態型に関わる原因遺伝子の報告は無い。
申請者らは昨年度までに、夏型×秋型系統の交配に由来する複数のF2集団における解析から、① 日長に応答した「開花の早晩性」と「結実・成熟の早晩性」は異なる領域のQTLに制御されていること、および 、② 生態型には「結実・成熟の早晩性」を制御する遺伝子が重要であることを報告した。
本年度は、申請者達のグループが構築したソバのPseudomoleculeのリファレンスゲノムを用いて、昨年度までに同定した夏型(低感光性)化に貢献するQTLの染色体上の位置を特定した。また、QTL解析に供試した両親のリシーケンスデータを取得し、QTL領域に座乗する候補遺伝子およびその機能多型を検出し、これらの情報をもとにFine-mapping用のF5系統を育成した。さらに、様々な生態型の遺伝資源のリシーケンス解析から、供試した系統の範囲内では、秋型と夏型の差は、共通した少数の遺伝子によって分化していることが考えられた。これに加えて、これまでの栽培地(茨城県)より、長日条件となる高緯度地域(秋田県)において複数の夏型系統を栽培し、高緯度地域では夏型系統内での成熟期の早晩が明確になり、秋型-夏型系統間の主働遺伝子の他に、感光性の強弱に関わるいくつかの遺伝子も存在することが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生態型の制御要因として「結実・成熟の早晩性」を形質値としてQTL解析を実施し、夏型(低感光性)化に貢献するQTLを初めて同定し、論文に掲載できたため。またそのQTLの候補遺伝子を選定することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
Fine-mapping用のF5系統を展開し、夏型(低感光性)化に貢献するQTLの原因遺伝子の同定を目指す。また、同定した遺伝子のアレルが、他の夏型のソバ遺伝資源にどれだけ保存されているかを検討する。
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