研究課題/領域番号 |
21K14853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩渕 望 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (00888753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ファイトプラズマ / 葉化 / ファイロジェン / エフェクター / MADS-box転写因子 / ユビキチン / プロテアソーム / 葉化病 / 立体構造 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原細菌ファイトプラズマのもつ病原性因子「ファイロジェン」は、花形成に重要なMADS-box転写因子(MTF)とプロテアソーム関連因子であるRAD23に結合し、MTFの機能を阻害することで花の葉化を引き起こす。これまでにMTFおよびRAD23との結合に重要なファイロジェンの構造学的特徴が解明されている一方で、ファイロジェンとの結合に重要なMTFおよびRAD23の構造学的特徴は特定されておらず、ファイロジェンによる標的認識機構の詳細は不明だった。本研究では、立体構造情報に立脚した網羅的結合解析を通じて、これら三者複合体の形成機構の解明と、ファイロジェンを標的にした新規防除法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
植物病原細菌ファイトプラズマのもつ病原性因子ファイロジェンはファイトプラズマに共通の症状の1つ、花の「葉化」を引き起こす。ファイロジェンは植物の花形成に関わるMADS-box転写因子(MTF)、およびユビキチンに結合してポリユビキチン化タンパク質をプロテアソームへと運ぶシャトルタンパク質であるRAD23に結合し、プロテアソームを介したMTFの分解を誘導する。本研究では、ファイロジェン/MTF/RAD23の三者を主軸とした複合体形成機構の統合的な理解のため、三者が相互作用する際に必要な分子構造や結合様式を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ファイロジェン/MTF/RAD23が三者間で相互作用する際に必要な分子構造や結合様式を明らかにした。その結果、ファイロジェンはユビキチンの代わりに標的MTFとRAD23の保存領域に結合し、両タンパク質の相互作用を直接仲介することで、標的因子のユビキチン非依存的なプロテアソーム分解を誘導することが示唆された。今後は、本研究で明らかになった結合領域を標的にした化合物を探索することで、ファイロジェンの機能を阻害する新規防除法の開発が期待される。
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