研究課題/領域番号 |
21K14858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
柏 毅 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 主任研究員 (60766400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ダイズ / ダイズ紫斑病 / ゲノム / 植物病原菌 / 感染生理 / 酵素群 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原菌が宿主に感染すると、感染部位やその周辺が変化し「病斑」としてあらわれる場合がある。病斑は、病原菌と植物の攻防の結果として生じている。同じ植物でも、病斑は個々の病原菌で異なる形になることから、病原菌側の因子が病斑の形成に大きく影響すると考えられる。本研究では、病原菌が植物感染時に発現している酵素等の遺伝子群を探索する。これら酵素等の機能解析を実施し、病斑形成の分子機構等と結びつける。
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研究実績の概要 |
本研究では、ダイズに感染する病原糸状菌を対象として、宿主植物体上の病斑形成に関わるような遺伝子をゲノム中から探索し、その機能を解析することを目的に進めている。昨年度までに、ダイズ紫斑病菌のゲノム中から、病原性に関与することが推定される遺伝子群を選抜した。 今年度は、ダイズ紫斑病菌のゲノム中に存在する各遺伝子がコードする酵素などの情報に加えて、トランスクリプトーム解析の結果得られた、宿主感染時に発現しているダイズ紫斑病菌の遺伝子に関する情報を合わせ、宿主植物体上での病斑形成に関わることが推定される遺伝子を絞り込んだ。今回選抜した遺伝子の中には、感染の初期から後期にかけて発現量が大きく上昇する遺伝子や、感染の各段階において一定して高い発現量を維持するような遺伝子が含まれていることから、病斑形成へ関与するものが含まれていると考えられる。 ダイズ紫斑病菌の形質転換方法に関しては、アグロバクテリウムを利用してDNAを導入する方法ではなく、ダイズ紫斑病菌の細胞をプロトプラスト化し、DNAを導入する方法を用いて研究を進めている。上記、遺伝子の情報およびトランスクリプトーム解析の情報に基づき選抜した遺伝子に関して、順次、遺伝子破壊株の作出を進めている。作出した遺伝子破壊株は、ダイズから切り取った葉片を用いた病原性検定方法を利用して野生株と病原性を比較することで、破壊した遺伝子の病斑形成に関わる機能を推定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダイズ紫斑病菌のトランスクリプトーム解析などに基づき、ダイズ紫斑病菌ゲノム配列から、解析対象とする遺伝子群が選抜できている。しかし、病原性への関与の確認(遺伝子破壊株の病原性調査)が遅れている。このため、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに選抜してきた病原性に関与することが推定される遺伝子群の遺伝子破壊株の作出と、遺伝子破壊株の病原性調査を継続する。また、ダイズ紫斑病菌の近縁菌のゲノム情報など、研究過程で得られている他の情報に関しても、論文等の形式での公開を進める計画である。
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