研究課題/領域番号 |
21K14867
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
田島 知之 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (60817534)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | オランウータン / 絶滅危惧種 / 遺伝的多様性 / 個体群存続可能性 / 繁殖システム / 父性解析 / リハビリテーション / 野生復帰 / 半野生個体群 / 再導入 / 繁殖戦術 |
研究開始時の研究の概要 |
絶滅の危機に瀕する野生動物の保全対策として他個体群からの再導入が行われる。大型類人猿であるオランウータンはIUCNの定める近絶滅種であり、リハビリテーションセンターの保護個体を野生生息地へ再導入する野生復帰事業が各地で実施されてきた。 しかし、外部との遺伝的交流の限られたリハビリテーションセンターでは遺伝的多様性の低下が懸念され、再導入が野生個体群の長期的持続可能性に与える影響は明らかではない。 本研究では、オランウータンの繁殖システムを考慮したモデルを用いて、再導入が野生個体群の持続可能性に与える長期的影響を予測し、オランウータンの野生復帰事業の改善へ貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
絶滅の危機に瀕する野生動物の保全対策として他個体群からの再導入が行われる。大型類人猿であるオランウータンはIUCNの定める近絶滅種であり、リハビリテーションセンターの保護個体を野生生息地へ再導入する野生復帰事業が各地で実施されてきた。外部との遺伝的交流の限られたリハビリテーションセンターでは遺伝的多様性の低下が懸念されており、再導入が野生個体群の長期的持続可能性に与える影響は明らかではない。 本研究の目的は、オランウータンの繁殖システムを考慮したモデルを用いて、再導入が野生個体群の持続可能性に与える長期的影響を予測し、オランウータンの野生復帰事業の改善へ貢献することである。令和5年度はマレーシアへ渡航してダナムバレイ自然保護区とセピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターでフィールド調査を行った。また野生個体群における繁殖システムを解明するため、マイクロサテライト15座位を用いて父子判定を行い、何頭のオスが繁殖に成功しているのかを明らかにした。これらの成果に基づいて、マレーシアで開催された第29回国際霊長類学会大会で口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は在外研究のため、本課題を一時的に中断したが令和5年度に再開した。マレーシアにおいてフィールド調査を行い、野生個体群および半野生個体群の繁殖データおよび遺伝子試料を採取した。これらのデータを整理した上で、2つの個体群の遺伝的多様性の比較と個体群存続可能性分析に取り掛かることができている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに集めた遺伝的データをもとに2つの個体群の遺伝的多様性を比較する。また、2つの個体群で収集したオランウータンの人口統計学的データと繁殖データを整理し、シミュレーションモデルVORTEX10を用いて将来の個体群存続可能性の予測を行う。その結果を日本霊長類学会などで発表して議論した上で、学術論文を投稿予定である。
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