研究課題/領域番号 |
21K14876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
北上 雄大 三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (40882684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 生物指標 / スギ人工林 / 広葉樹林化 / 土壌線虫 / ポット実験 / ネットワーク解析 / 土壌微生物 / メタゲノム解析 / 土壌化学性 / 広葉樹林 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はスギ人工林から広葉樹林へ転換後の地下部多様性の変化を示すため,線虫を用いた生物指標の確立を目指す.はじめに,スギ人工林と広葉樹林の線虫群集の特徴を把握する.次に,室内ポット実験で,スギ林土壌に広葉樹を植栽し,植栽後の線虫群集やその餌資源である微生物の動態を解明する.最後に,スギ皆伐地に広葉樹を植栽し,線虫群集指数を用いて地下部多様性をモニタリングすることで,広葉樹林化後の土壌の生態系機能の評価を試みる.
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研究成果の概要 |
本研究は,線虫をスギ人工林の広葉樹林化後の地下部多様性の変化を評価する生物指標として確立することを目的とした.野外調査と室内ポット実験からスギ人工林と広葉樹林の土壌線虫群集とそれを規定する環境要因の影響を把握した.線虫群集はスギ人工林と広葉樹林で異なり,スギ人工林では植物根を食べる線虫が,広葉樹林では菌糸を食べる線虫が多く見られた.さらに,線虫群集は土壌のpH,炭素や窒素量の影響を受けた.これらより,樹種の入替によって土壌環境が改変され地下部の土壌線虫群集も影響を受け,線虫は地上部環境の変化に鋭敏に応答することが考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林の多面的機能を発揮するために,放棄されたスギ人工林を豊かな広葉樹林に誘導する試みがある.広葉樹林の多面的機能として生物多様性の保全が期待されるが,そのためには物質循環に寄与する地下部の生物群集をモニタリングする適切な生物指標が求められる.森林土壌において線虫は環境変化に鋭敏に応答し様々な生態系における生物指標になることから,線虫は広葉樹林化後の地下部多様性の変化を適切にモニタリングできる生物指標になると考えた.本研究において,土壌線虫が森林タイプの違いに応答したことから,地上部環境の改変に対して地下部多様性の変化を評価する生物指標としての利用可能性を示した.
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