研究課題/領域番号 |
21K14888
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山内 恒生 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (10805427)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | フラボノイド / 癌転移 / quercetin / MMP-1 / 抽出成分 / 遊走阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
クェルセチンは樹木や薬用植物,食品に広く含まれている代表的なフラボノイドの一種であり,多くの生物活性が報告されている。これまでにクェルセチンのメチル化体(MQ)が,クェルセチンよりも癌細胞の転移に関与する遊走を強力に阻害することが明らかとなっている。その作用機序の解明のため,MQの標的タンパク質の単離に用いるMQプローブの合成に成功している。本研究では本合成プローブを用いてMQの標的タンパク質を単離同定し,MQの作用メカニズムを分子レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
合成したフラボノイドプローブを用いたプルダウンアッセイにより、MMP-1がquercetin誘導体の標的タンパク質の一つであることが示唆された。表面プラズモン共鳴(SPR)解析では、quercetin誘導体とリコンビナントMMP-1触媒ドメインの相互作用は濃度依存的であることが確認された。1H-15N HSQC NMR解析を行った結果quercetin誘導体はMMP-1の金属イオン付近と相互作用していることが示された。これらの結果から、quercetin誘導体は金属イオン付近に結合することでMMP-1の活性を阻害し、がん細胞の遊走を抑制していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フラボノイドの生理機能は多岐に渡り、その有用性を示す報告は近年加速度的に増加している。そのため作用機序の解明や合成法、代謝過程などフラボノイドの動物細胞における影響について研究が行われ、年間1万報を超える関連論文が投稿されている。しかし、機能性成分として報告され続けているフラボノイド類の、直接的な作用機構は殆ど明らかにされておらず、その標的タンパク質の探索は世界的な競争になっている。本研究で、代表的なフラボノイドのひとつであるquercetin及びその誘導体の標的タンパク質及び、作用様式をNMR法を用いて初めて明らかにし、フラボノイドの活性メカニズムの一端を明らかにする事に成功した。
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