研究課題/領域番号 |
21K14889
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 浩之 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(農), 特任助教 (60882579)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | Grains of Paradise / Anti-obesity / Vanilloid / 6-paradol / 6-gingerol / Photoaffinity labeling / vanilloid / photoaffinity labeling |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,香辛料Grains of Paradise (GOP) の示した肥満抑制作用の分子メカニズム解明を行う。これまで,申請者はGOPバニロイド成分が,トウガラシの主要な辛味バニロイドであるカプサイシンとは異なり,交感神経系を介さない経路により肥満抑制作用を示すことを発見した。この結果は,GOPバニロイド成分がカプサイシンとは異なる標的タンパク質との相互作用を介して肥満抑制作用を発現することを示唆している。したがって,GOPバニロイド成分に着目したケミカルバイオロジーおよび分子生物学的研究により,新たな肥満抑制機構の発見が期待できる。
|
研究実績の概要 |
本研究では,西アフリカ原産の樹木系香辛料Grains of Paradise (GOP) の示した肥満抑制作用の分子メカニズムを解明することを目的とした。2021年度に合成したGOPバニロイドのフォトアフィニティープローブを用いたラベリング実験において,ウェスタンブロット法による検出が困難であった。また,GOPバニロイドは,非常に類似した構造を有するにも関わらず,脂肪蓄積や脂質代謝に対する効果が異なるため,いくつかのバニロイドに対してフォトアフィニティープローブを合成する必要があった。そこで2023年度は,6-paradolに加え6-gingerolのフォトアフィニティープローブを合成した。また,これらのプローブをマウス3T3L1線維芽細胞(前駆脂肪細胞)に投与し,6-paradolと特異的に相互作用するタンパク質バンドを検出した。現在は,フォトアフィニティーラベリングにより標識した6-paradolと特異的に相互作用するタンパク質をプロテオミクスにより解析を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究で,GOPバニロイドがそれぞれ異なる肥満抑制作用点を有することが明らかになってきた。その詳細な作用メカニズムを解明するために,GOPバニロイドの中でも6-paradolと6-gingerolのフォトアフィニティープローブを合成した。これらのフォトアフィニティープローブを用いたウェスタンブロット法によるタンパク質検出を行ったところ,6-paradolに特異的な相互作用タンパク質を検出した。また,フォトアフィニティーラベリングによるタンパク質検出条件が改善されたことで,他のプローブを用いたタンパク質検出への適用も可能となった。現在は,プロテオミクスにより6-paradolと特異的に相互作用するタンパク質解析を進めているところであるが,ウェスタンブロット法によるタンパク質検出や6-gingerolのフォトアフィニティープローブ合成に時間を要したため,現在までの進捗状況をやや遅れているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として,得られたプロテオミクス結果から,6-paradolに特異的に相互作用するタンパク質を同定する。また,分子モデリング解析を合わせて実施することで,その相互作用様式を解明するとともに,同定タンパク質の肥満に対する機能解明に取り組む。また,調製した6-gingerolのフォトアフィニティープローブを用いて,特徴的な標的タンパク質の同定を試みる。
|