研究課題/領域番号 |
21K14894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
和賀 久朋 北海道大学, 北極域研究センター, 研究員 (30869805)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 北極海 / 植物プランクトン / 海氷 / 衛星リモートセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
海洋の基礎生産者である植物プランクトンは、光と栄養素が潤沢な環境下でブルームを形成する。従来の北極海では、海氷融解直後に発生する氷縁ブルームが卓越していた。しかしながら、近年では海氷融解から数週間後に発生する開放水面ブルームが頻繁に観測されており、氷縁ブルームから開放水面ブルームへと移行している可能性が示されている。本研究では、海底堆積物を含む海氷「Dirty Ice」と 含まない海氷「Clear Ice」を区別することに初めて着目し、北極海の植物プランクトンブルーム発生プロセスに対する理解を深める。その上で、北極海における氷縁ブルームから開放水面ブルームへの移行を正確に評価・予測する。
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研究実績の概要 |
2022年に国際学術誌Remote Sensing of Environmentに発表した手法を用いて、衛星光学センサーMODISから推定した北極海全域の海氷タイプマッピングを行った。このデータセットは日平均・500mの時空間解像度で2000年から現在までの20年以上の長期間をカバーする大規模なものであり、他の衛星・モデルデータと照らし合わせることで気候変動に伴う海氷・海洋環境変動と海氷タイプとの関係を調べる上で非常に有益である。 上記の海氷タイプデータセットに加えて、同じく衛星光学センサーMODISを用いた北極海全域の植物プランクトンバイオマスのデータセットも構築した。さらに、2021年に国際学術誌PLoS ONEに発表した手法を用いて、植物プランクトンバイオマスの時系列から春季・秋季ブルームの有無とそれらの規模・期間・時期をガウス関数に基づいて推定した。なお、使用した植物プランクトンバイオマス推定アルゴリズムは、既存のデータセットに2021年度および2022年度の観測航海で取得したデータを加えた合計249観測点のデータセットを用いて、北極海で最も精度が高いものを選出した。また、海氷に由来するエラー(adjacency effectとsub-pixel contamination)を最小限に抑えるために衛星マイクロ波センサーAMSR2の海氷密接度を参照し、海氷密接度20%を基準にマスク処理を施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膨大な衛星データの処理に時間を要したが、当初の計画通り2022年度中に本研究の完遂に必要なデータセットを構築できた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2023年度は、これまでに準備した20年以上の長期間をカバーする衛星データセットの解析に取り組む。特に、チャクチ海や東シベリア海などの水深の浅い海域に堆積物を多く含む海氷sediment-laden iceが広く分布することがこれまでの衛星観測で明らかになってきた。これらの海域は従来の研究でも生物生産が活発な海域と知られており、sediment-laden iceの分布との密接な関係が期待される。また、同程度の水深でありながらsediment-laden iceが極めて稀である海域にも着目し、両海域を比較することで、sediment-laden iceと植物プランクトンブルームの特徴を統計的な手法を中心に評価する。
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