研究課題/領域番号 |
21K14898
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2022-2023) 総合研究大学院大学 (2021) |
研究代表者 |
仮屋園 志帆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 学振特別研究員 (00815334)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ゲノム / リシークエンス / ゲノム多型 |
研究開始時の研究の概要 |
造礁サンゴ(以下サンゴ)は、生物多様性の高いサンゴ礁生態系を支える重要な生物である。サンゴの環境ストレス耐性には同種内で個体差があり、ゲノム情報が関与すると考えられるが、その遺伝的基盤は明らかになっていない。また環境ストレス耐性の個体差が、進化の過程でどのくらいの期間維持されてきたのかという情報は、今後のサンゴの環境変動への適応を予測する重要なデータとなる。そこで本研究では、サンゴの環境ストレス耐性の個体差がどのように生み出されてきたのかを、(1) コユビミドリイシと、その水温・紫外線環境が異なる集団のゲノム比較解析、(2) 高温・紫外線耐性に関わるゲノム領域の分子進化解析により検討する。
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研究実績の概要 |
最終年度は、これまでの研究結果より、活性酸素から生体を守ることにつながるペルオキシダーゼ活性をもつと予想される遺伝子に着目した。しかし、遺伝子配列の相同性検索から、この遺伝子はコユビミドリイシ において多重遺伝子族を形成することがわかった。相同性の高い10遺伝子がゲノム上で近傍に存在しており、全ゲノム塩基配列の情報が正しいのかを確かめる必要性があった。そこで、分子生物学実験によりそれらの相同性の高い複数遺伝子が実際に存在するのか、ゲノムアッセンブルのエラーなのかを確かめようと試みた。コユビミドリイシのゲノムDNAを鋳型として、遺伝子領域を増幅しサンガーシークエンスにより塩基配列を決定したところ、10遺伝子の中の3遺伝子の塩基配列の相同性が非常に高く、その3遺伝子を特異的に増幅することができなかった。そのため、全ゲノム塩基配列の情報が正しいのかを明らかにすることができず、これ以上の解析は実施しないこととした。次に、mRNAの配列を次世代シークエンスで決定するRNA-sequencingのデータから、これまでの研究で絞り込んだ遺伝子の遺伝子発現量を解析した。コユビミドリイシの成体と幼生のRNA-sequencingのデータを解析したところ、どの遺伝子も、コユビミドリイシの成体と幼生で発現が確認された。遺伝子発現が確認されたことから、これらの遺伝子は機能を持っていると予想された。 本研究で得られた結果は、サンゴの生息環境の違いに低分子量熱ショックタンパク質をコードする遺伝子、活性酸素から生体を守ることにつながるペルオキシダーゼ活性をもつと予想されるタンパク質をコードする遺伝子や、高温の受容に関わることが知られているタンパク質をコードする遺伝子が関わる可能性を示唆している。ここまでの結果を論文としてまとめ国際誌に投稿する準備を進めている。
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