研究課題/領域番号 |
21K14905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 近畿大学 (2021) |
研究代表者 |
松沼 瑞樹 京都大学, 総合博物館, 研究員 (40814786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 魚類 / 分類学 / ハタ科 / 進化 / 系統 / 分類 / 未記載種 / 分類学的整理 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
ハタ科ヒメコダイ属魚類は分類学的に混乱しており、各種を同定するための分類形質が不明で、現状では正確な種同定が不可能である。ハタ科魚類は水産重要種であり、ヒメコダイ属魚類の分類学的研究は急務といえる。また、本属は近縁とされるセルラヌス属との系統関係が不明な点が多く、ヒメコダイ属のハタ科内の系統学的位置づけは明らかにされていない。そこで、本研究では、ヒメコダイ属魚類を対象として形態形質と分子形質に基づき、①種レベルの分類を包括的に再検討すること、②セルラヌス亜科内での系統的位置づけを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
インド・太平洋の温帯~熱帯域を中心に分布するハタ科ヒメコダイ属の分類学的研究を行った。本属は、近年の分類・遺伝学的研究の進歩により、従来知られていたよりもはるかに種多様性に富むことが判明したものの、網羅的な分類学的再検討が行われておらず、正確な種同定が困難と考えられていた分類群である。本研究では、19名義種のタイプ標本・原記載と分布域広域から採集された一般標本を調査した結果、すべての名義種が有効種であることが明らかになった。また、本研究により西部太平洋域から3未記載種が発見された。本研究では多数の標本に基づく形態・遺伝学的解析によりヒメコダイ属が単系統であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究対象であるヒメコダイ属は水産的にも重要なハタ科に属する魚類で,一部の種は水産的に利用され,未利用資源としての可能性もある.しかし,過去にタイプ標本の調査を含む網羅的な分類学的再検討は一度もなされておらず,そのような研究は急務であった.本研究により,属内の分類学的な整理が完遂され,分類にかんする情報が不足していた一部の種の有効性も解明された.また,本属魚類の分布パターンや姉妹群にあたる同科他属との関係やヒメコダイ属の単系統性が検証あれた.本研究の成果は,本属魚類を対象とした水産学を含むあらゆる応用研究に基礎的なデータ・種同定の際の資料として貢献することが期待される.
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