研究課題/領域番号 |
21K14913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
美野 さやか 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (00755663)
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研究期間 (年度) |
2024-01-17 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 比較ゲノム解析 / 生物地理学 / 種分化 / 深海底熱水活動域 / パンゲノム解析 / Sulfurimonas属 / 生物地理 / 化学合成独立栄養細菌 / 微生物生態学 / Epsilonproteobacteria / Campylobacteria |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,培養依存および非依存的手法を組み合わせ,深海底熱水孔環境に優占するコスモポリタン微生物の環境適応性進化を多角的に明らかにするとともに,その分布形成過程を理解することにある。具体的には,①世界各地の深海底熱水孔環境から獲得したコスモポリタン微生物分離株を対象とした代謝の鍵酵素の遺伝子配列解析と細胞生理および酵素活性の評価,②公共メタゲノムデータを活用したコスモポリタン微生物の遺伝子多様性解析による分布様式の評価,③ゲノムワイドな遺伝子変異解析および環境との相関解析により,目的を達成する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究代表者らの多遺伝子座配列解析(MLSA)法を用いた研究から、熱水孔環境のコスモポリタン微生物であるSulfurimonas属細菌のうち沖縄トラフを由来源とする分離株は、系統学的に種内で2つのグループに分けられることが明らかとなった。しかし MLSAではゲノム全体の多様性はもとより、遺伝的多様性が表現型へ与える影響や、現在の分布様式の成立過程を理解するには程遠い。本研究の目的は、熱水孔コスモポリタン微生物の適応進化および分布形成過程を理解することにある。令和4年度は前年に引き続き沖縄トラフ由来Sulfurimonas属に属する代表分離株のゲノム解析を進め、ゲノムワイドな変異解析に必要な知見の収集を進めた。代表株13株の完全ゲノムを取得しゲノムに基づく系統解析により、13株は2つのクレード(Clade I とClade II)に分類された。このクレードは、MLSAで示されたものと概ね一致したが、先行研究でクレードに分類されなかった分離株の系統学的位置が明確になり,完全ゲノムを用いることでクレードの定義が可能となった。またClade IとClade II、近縁種Sulfurimonas autotrophicaの基準株間のANI値は、菌種判定の閾値95%未満を示した。このことから、両クレードおよびS. autotrophicaはいずれも別種であることが示され、同所的種分化を経ていることが明らかとなった。ゲノムサイズおよびGC含量の点でもわずかに異なり、Clade IIがより大きいゲノムサイズかつ高いGC含量を示した。Clade IIにユニークな遺伝子数はClade Iのそれよりも約1.7倍高く、ゲノムサイズの結果を支持した。本研究は研究代表者の海外渡航により中断しており、再開後、各クレードに特徴的な代謝経路の探索、代謝の鍵酵素の遺伝子配列解析などを進める予定である。
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