研究課題/領域番号 |
21K14914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 帯広畜産大学 (2021) |
研究代表者 |
渡邊 勇歩 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40895893)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 海産白点虫 / ゲノム解析 / テトラヒメナ / 魚類寄生虫 / アポトーシス / 機能解析 / in vitro培養 |
研究開始時の研究の概要 |
魚類寄生性繊毛虫Cryptocaryon irritans (海産白点虫)が寄生することによる疾病、海産白点病は海面生簀など様々な海産魚養殖場で発生し、大きな産業被害を引き起こしているが、有効な防除法は確立されていない。一方、先行研究から寄生期虫体は宿主細胞にアポトーシスを誘導し、それを餌として摂食することが示唆されている。そのため、アポトーシスの誘導は本虫の生存戦略上重要な現象であると推察され、また、この現象を明らかにすることは海産白点病に対する防除法の開発への新たな糸口になると考えられる。そこで本研究では、多面的に研究を実施し、海産白点虫のアポトーシス誘導メカニズムの解明を試みる。
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研究実績の概要 |
昨年度の研究で海産白点虫のモノクローナル株の樹立に成功したため、本年度は樹立したモノクローナル虫体株からDNAを抽出し、全ゲノム配列の取得を試みた。海産白点虫はin vitro培養が困難であり、宿主である魚類を用いて虫体を増殖させるため、宿主ゲノムの混入等によりアセンブリの完全性は低く、全ゲノムの取得には至らなかったが、多くの遺伝子配列の取得には成功した。今後はこの配列を参考にトランスクリプトーム解析を行い、寄生期虫体で発現するアポトーシス関連遺伝子等の網羅的取得を試みる。 また、本年度は培養可能な繊毛虫であるテトラヒメナを用いた組換えタンパクの発現にも着手し、虫体タンパクの発現に成功した。今後の研究により、アポトーシス関連分子候補が得られた際にはこの手法により組換えタンパクを作製し、機能解析等を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の大学異動と新規所属機関での各種申請に時間がかかり、研究はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの研究から海産白点虫の寄生部位周辺の宿主細胞がアポトーシスを生じていることは明らかである。今後は選択的阻害剤を用いたin vitroアッセイの実施、海産白点虫と感染宿主組織のトランスクリプトーム解析によるアポトーシス関与遺伝子の取得を実施し、複数の側面から海産白点虫のアポトーシス誘導メカニズムの解明を目指す。
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