研究課題/領域番号 |
21K14920
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
前田 雪 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 研究員 (10756521)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | タイラギ / 二枚貝類 / 卵成熟 / ロングリードシーケンス / 人工受精 / Iso-seq / 二枚貝 / 網羅的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
二枚貝類の種苗生産では、十分成熟した卵を持つ親貝を用いる必要がある。しかし、親貝の成熟状態を評価する方法は、生殖巣の組織学的観察による定性的な評価に限られている。本研究では、近年人工受精技術が確立された大型二枚貝類タイラギを実験対象種とし、二枚貝類の卵成熟過程を「核成熟」と「細胞質成熟」に分けて、各々の段階における遺伝子およびタンパク質を網羅的に解析することで、核成熟および細胞質成熟が完了するために必要となる遺伝子およびタンパク質の種類と量を明示する。そして、この情報に基づいて、二枚貝類の成熟段階の評価方法を再定義する。
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研究成果の概要 |
二枚貝類の成熟段階の評価方法として、従来は生殖巣の切片観察による定性的な方法が用いられているが、本課題では卵成熟過程に着目して新規の分子指標を探索することで、定量的な指標の導入を検討した。大型二枚貝類タイラギを用いた人工受精の成績に基づいて卵の成熟段階を分類し、各成熟段階で異なる発現量を示す遺伝子およびタンパク質を調べたところ、複数の分子が発現変動することが明らかになった。特に、ミトコンドリア型アルデヒド脱水素酵素と26Sプロテアソームという2つの分子が卵成熟の進行に伴って発現量が増加する傾向が示され、成熟段階を評価する新規指標として有力である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、大型二枚貝類タイラギを用いた人工受精で得られた卵細胞の網羅的発現解析を行って、卵成熟に伴って発現量が増加する分子を複数特定した。これらの分子を成熟段階評価の指標として用いることで、種苗生産に用いる親貝の選択が定量的に実施でき、安定的な種苗生産を可能にすると考えられる。また、長い領域の塩基配列を解読するロングリードシーケンスという手法を取り入れて発現遺伝子のカタログを作成し、それを基に演繹アミノ酸配列データベースを構築することで、遺伝子情報が不足している二枚貝類において効率的に分子指標探索を実施する解析手順を提案した。
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