研究課題/領域番号 |
21K14957
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
吉田 悠太 茨城大学, 農学部, 助教 (00875023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 苦味受容体 / ウズラ / ニワトリ / ヨーロッパウズラ / 味覚 / 畜産動物 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物において、苦味受容体遺伝子数、並びに塩基配列は、動物種間・種内で非常に高い多様性を示すことが知られている。畜産動物は多様な食性を有し、育種改良の結果、多くの品種が作出されているが、畜産動物の苦味受容体の機能的多様性は良く理解されていない。そこで、本研究では畜産動物の苦味受容体発現細胞を用いた評価系を構築し、畜産動物が感じる苦味成分のレパートリーや苦味感受性の差異を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、家禽であるニワトリとウズラの苦味受容特性を比較した。行動解析の結果、ニワトリは苦味物質を濃度依存的に忌避したが、ウズラはキニーネなどの複数の苦味物質に対して全く忌避を示さなかった。ウズラの口腔にはニワトリと同様に味蕾様の器官が認められ、3種類の苦味受容体遺伝子 (T2R1、T2R2、及びT2R7)のうち主にT2R7が発現していた。ニワトリの苦味受容体T2R7において苦味物質との結合に寄与するアミノ酸残基がウズラではほとんど変異しており、特定の苦味物質に対する応答性が低いことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品残渣を活用したエコフィードにおいて、主に植物由来の飼料材料には苦味物質などの忌避成分が含まれる場合がある。本研究で分子基盤の一端を明らかにしたウズラが苦味を忌避しない性質を利用して、苦味を有する未活用の飼料材料の積極的活用が期待できる。渡りを行うヨーロッパウズラの肉には毒があり、毒を持つ種子の摂取が原因とされる。他の動物が食べない苦い毒物を食べられることが進化の過程で生存に有利に働いたのかもしれない。本研究はキジ目の鳥類の進化生態学にも新たな洞察を与える可能性がある。
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