研究課題/領域番号 |
21K14972
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶 健二朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (60884252)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | PAR2 / 男性不妊 / 精子運動 / 受精能 / 肥満細胞 / 体外受精 / 肥満細胞トリプターゼ / PAR-2 / 精子 / プロテアーゼ活性化型受容体2 / 男性不妊治療 / 精子超活性化 / トリプターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はマウスの精子におけるPAR2活性化が精子の運動性および受精能に与える影響を解明し、精子の運動性低下に起因する男性不妊に対する新たな不妊治療法の構築を目的とする。具体的には①マウスの精子におけるPAR2発現の検討およびその活性化が鞭毛運動に与える影響、②マウスの雌性生殖路におけるPAR2リガンド発現および受精に及ぼす影響、③PAR2アゴニストが体外受精に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は精子のPAR2活性化が精子の運動性に与える影響を解明し、精子の運動性低下に起因する男性不妊に対する新たな不妊治療法の構築を目的とする。マウス精子に発現するPAR2の活性化は精子の運動能を増強する傾向があること、またPAR2欠損マウスの雄と交配すると着床痕が減少することを明らかにした。しかし、PAR2刺激を行ったマウス精子とマウス卵子を用いた体外受精ではPAR2処置した精子を用いると受精卵が増加する傾向は認められたが有意差は認められなかった。以上の事からPAR2の活性化により精子運動が増強される可能性が示唆されたが、PAR2活性化が受精率を向上させるかについてはさらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により精子PAR2の活性化が精子運動を増強する可能性が見出された。不妊のうち、男性不妊の割合は約50%程度と半数を占めており、その多くは精子の運動性低下に起因している。そのため、男性不妊においてPAR2が新たな治療標的として利用できる可能性が示唆された。また、この結果はヒトだけではなく畜産領域においても応用可能である。牛の種付けは主に凍結精子を用いて行われるが、凍結を経た精子は運動性が低下するという問題点がある。そのため、人工授精の際にPAR2刺激によって精子の運動能を活性化させることで高い受胎率を期待できる可能性がある。
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