研究課題/領域番号 |
21K14976
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
今西 市朗 北里大学, 医学部, 助教 (40868444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ブドウ球菌 / ADAM17 / 湿潤 / Dysbiosis / Atopic Dermatitis / バクテリオファージ / エンドライシン / イヌ表在性膿皮症 / 溶菌酵素 / アトピー性皮膚炎 / 皮膚細菌叢 / プロアクティブ療法 / ファージ療法 / プロバイオティクス |
研究開始時の研究の概要 |
イヌアトピー性皮膚炎(Canine atopic dermatitis: CAD)は、皮膚炎の再燃を繰り返すが、未だ有効な再燃の予防法がない。CADでは皮膚細菌叢の大部分をブドウ球菌が占めることにより、細菌の多様性が失われる。本研究では、CADの皮膚細菌叢を制御する方法を確立し、その方法に皮膚炎の再燃予防効果があるのか検証する。ファージ由来の酵素を用いてブドウ球菌を特異的に除去する方法と、CADに対し有用な皮膚常在菌を特定し、その菌株を塗布する方法を用いて、皮膚細菌叢を制御できるか検討する。それにより確立した皮膚細菌叢の制御法を用いて、CAD犬の皮膚炎の再燃を予防できるかを解析する。
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研究実績の概要 |
今年度は、CADにおいて皮膚細菌叢の乱れが起こる原因について追及した。 まず健常ビーグル犬(6頭)の頸部皮膚に毎日PBSを噴霧し疎水性ラップで保護したところ、ブドウ球菌の過剰増殖と皮膚炎が起こることを発見した。1㎝2大の皮膚上の細菌を、ストリークカップ法にて採取しマンニット食塩培地に播種したところ、発育するコロニー数がPBS噴霧によって増加した。また経表皮水分蒸散量が増加した。更に紅斑が確認できたとともに、真皮浅層にCD4 T細胞の浸潤を確認することが出来た。上記から、アトピー性皮膚炎においても高い湿潤した皮膚環境がブドウ球菌の過剰増殖を引き起こす可能性を疑った。そこでブドウ球菌の過剰増殖が自然に起こりアトピー性皮膚炎様症状を引き起こすADAM17 Sox9 KOマウス(2週齢)にワセリンを毎日塗布したところ、ブドウ球菌の過剰増殖と皮膚症状が非塗布群よりも顕著に促進した。 この「高い湿潤した皮膚環境がブドウ球菌の過剰増殖と皮膚炎を引き起こす」事象がCADにおいて重要一因であると考え、さらなる詳細な解析のために、Balb/cマウスを用いて湿潤皮膚に伴う皮膚炎モデルを作成できないか検討を行った。Balb/cマウスの耳介にPBSを塗布し疎水性ラップで保護することを、1日おきに7日間実施した。皮膚表面上から検出されるマンニット食塩寒天培地発育菌数は4日目まで増加したが、その後徐々に減少した。真皮に浸潤している炎症細胞数や経表皮水分蒸散量も同様の挙動を示した。この開発したマウスモデルを用いて、今後菌叢の変化を引き起こしている要因を探求する予定である。 しかしながら申請者は、世界的に有名な痒みの研究者Brian Kimのところで数年間研究力の強化を目的に研究留学する機会を得た。そのため、帰国時の状況を見て本プロジェクトの方向性を再調整する必要があると思われる。
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