研究課題/領域番号 |
21K14979
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
宮前 二朗 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (40846143)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | がん免疫療法 / イヌ / MHC / ペプチドワクチン / イヌMHC / 主要組織適合性複合体 / ペプチド / 主要組織適合性複合体(MHC) / DLA / がん免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
がんペプチドワクチンは強力な抗腫瘍免疫を誘導できるが、その開発にはMHC分子により提示されるがんペプチドの情報が必須となる。本研究では65%以上のイヌで検出される保有率の高いMHC分子を対象として、①. イヌMHC分子により提示されるペプチドの網羅解析(MHCペプチドーム解析)を実施し、②. 得られたペプチド情報からイヌMHC結合ペプチドの予測システムを構築し、さらに、③. イヌリンパ球を用いて予測されたがんペプチドの免疫原性評価を実施することで、がんペプチドの同定を試みる。
|
研究成果の概要 |
イヌMHCクラスⅠ(DLA-I)分子を対象としたMHCペプチドーム解析を行い、DLA-I分子に提示されるペプチド配列の解明を試みた。イヌで頻度の高い3種類のDLA-I分子において、DLA-I分子結合ペプチドを同定することができた。さらに、得られたペプチド配列情報を基に、DLA-I分子に提示されうるペプチドの予測システムの構築も試みた。MHC結合ペプチドを予測するための機械学習のアルゴリズムを実装したオープンソースのツールを一部改変し、本研究で得られたペプチド情報を用いて再トレーニングすることで、DLA-I結合ペプチドを予測可能なツールを構築した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では3種類のDLA分子を対象としてDLA結合ペプチドを解明し、さらに、同定したDLA結合ペプチドを用いて、DLA結合ペプチド予測システムを構築することができた。この予測システムにより、Neoantigen(がん特異的な遺伝子変異に起因するがん抗原)や腫瘍関連抗原のアミノ酸配列から、DLA分子に結合するがん抗原ペプチドの候補を瞬時に選択することが可能となった。よって、本ツールは今後のイヌのがんワクチン研究の進展に大きく貢献すると考えられる。また、本研究の手法を用いて、他のDLA分子に提示されるペプチド配列を解明することで、イヌ全体を網羅可能ながんワクチン開発基盤の構築に繋がると考えられる。
|