研究課題/領域番号 |
21K14986
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
土岐 朋義 北里大学, 獣医学部, 講師 (40792396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ネココロナウイルス / 猫伝染性腹膜炎 / ネコ / 抗体医薬 / 獣医療 / FIP / TNF-alpha / ウイルス感染症 / 治療法開発 / TNF-α |
研究開始時の研究の概要 |
ネコ伝染性腹膜炎(FIP)はFIPウイルス(FIPV)を病原体とするネコ科動物の致死性ウイルス感染症であり有効な治療方法は確立されていない。抗ネコTNF-alpha抗体はFIPの治療薬の候補として応用が期待される。本研究では抗ネコTNF-alpha抗体の発現系の改良と、ヒト型抗TNF-alpha製剤をFIPの治療に応用するドラッグリポジショニングの有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
猫伝染性腹膜炎(FIP)はウイルス感染症であると同時にTNF-alphaが病態に強く関与する免疫介在性炎症性疾患である。本研究は抗ネコTNF-alpha抗体を用いたFIPに対する治療法の確立を目的とし、抗ネコTNF-alpha抗体の発現系の改良と、治療法が確立されるまでの応急策としてヒト型抗TNF-alpha製剤をFIPの治療に応用するドラッグリポジショニングの可能性を検討した。本研究課題で我々はネコTNF-alphaに中和活性を有するヒト型抗TNF-alpha製剤を選抜するとともに抗ネコTNF-alpha抗体の発現系を改良することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、猫伝染性腹膜炎(FIP)に対する治療法研究はFIPの原因となるネココロナウイルスに対する抗ウイルス薬開発が主である。しかし、FIPの病態の一つである強い炎症に対しては、対症療法として免疫抑制剤や抗炎症薬の投与が検討されているに過ぎない。本研究成果は獣医師がFIPの治療薬として抗TNF-alpha製剤を用いるために有用である。また、FIPだけでなく病態形成にTNF-alphaが関与するヒトのウイルス感染症も報告されている。TNF-alphaの抑制を目的としたFIPの治療法を確立すれば、これらのヒトにおけるウイルス性疾患に対する新しい治療法の開発に新たな方向性を見出すものと思われる。
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