研究課題/領域番号 |
21K14987
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
菅野 智裕 北里大学, 獣医学部, 助教 (20834469)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 精子 / 牛 / 人工授精 / 妊孕性 / 運動性サブポピュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、牛精子の妊孕性を判定することが可能な実験室的評価方法を確立することである。牛の生産にはほとんどが凍結精液が利用されている。凍結精液の品質管理を目的として、様々な精子性状の検査が行われているが、人工授精受胎率を予測できるような手法は無い。高妊孕性精子の特徴が不明な状況では、凍結精液の品質改善において、どのような精液を作製すべきかを決めることができない。そこで本研究では、精子の運動様式をはじめ、細胞機能、寿命、受精能獲得状況などにより精子性状を判定し、生産現場における人工授精受胎率との関係を解析し、人工授精受胎率の良好な精子、すなわち高妊孕性精子の特徴を決定することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、人工授精受胎率の良好な精子、すなわち高妊孕性精子の特徴を決定することを目的として、精子の運動性サブポピュレーションをはじめ、精子細胞機能と、人工授精受胎率との関係を解析した。 その結果、高受胎性精液中には、頭部を細かく頻繁に振動して直進する、凍結精液融解から時間が経過しても高いミトコンドリア活性を維持する、寿命の長い精子を多数含む一方、低受胎性精液は、頭部を大きく振動しながら曲線的に運動し、精液融解後の時間経過とともに細胞膜の完全性を維持できなくなる精子を多く含むことが明らかとなった。 本研究課題の遂行により、人工授精の実施無しに牛精液の受胎性予測を可能とする要因の一部を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、精子の実験室的検査は広く行われてきた一方、その妊孕性を高精度に予測可能な手法は無かった。本研究の成果から、牛における高妊孕性精子の特徴の一端を解明することができた。今後、学術的には精子の運動様式の差異を生み出す機構の解明、社会的には人工授精所における精液検査の手法や新規凍結精液作製による、精液の品質管理および向上に、それぞれ繋がっていく知見であると考えられる。
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