研究課題/領域番号 |
21K14988
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
武田 一貴 北里大学, 獣医学部, 講師 (00896350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 動物種差 / 化学物質感受性 / 中毒 / AlphaFold2 / 分子動力学 / 分子ドッキング / 農薬 / 医薬品 / 野生動物 / AlphaFold / 環境汚染 / タンパク質立体構造 / 機械学習 / 環境化学物質 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
目的:野生動物の化学物質感受性の非侵襲的評価法の確立 環境化学物質は野生動物に対し種々の被害を与え、時に局所的な大量死を生じる事がある。この原因として化学物質感受性には数百倍もの動物種差があるのに対し、現在の安全性評価は実験動物でしか行われていない事が挙げられる。一方、膨大な化学物質全てに対し野生動物への致死的な曝露試験を行う事は不可能であり、現状野生動物の化学物質感受性を評価する手法は乏しい。れに対し被毛などから非侵襲的に入手できるDNA情報の利用に着目し、本研究はDNA情報を利用したシミュレーションと機械学習により化学物質感受性の種差を予測する新規手法counter-QSARの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
化学物質は野生動物へ種々の被害を引き起こし、時に個体群の局所的な絶滅を生じる事もある。このため野生動物の化学物質感受性評価は必須だが、これらを用いた動物実験は禁忌である。このため非侵襲的に入手できるDNAなど限られた情報を用い野生動物の感受性評価を行う手法を確立する必要がある。感受性に影響を与える主要因は標的分子・解毒代謝酵素の種差である。これらの非侵襲的な評価手法としてDNA情報から構築した標的分子・代謝酵素の3D構造を用いたシミュレーションを実施した。成果の一例として、一アミノ酸多型が与える殺鼠剤抵抗性の影響の評価も可能となり、遺伝情報を用いた化学物質感受性評価の可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
野生動物での毒性試験は希少種保護の観点から困難であり、これらの化学物質感受性評価は立ち遅れている。一方、DNAは被毛から非侵襲的に入手できるため野生動物においても遺伝子解析は容易である。本研究で実施したin silicoモデリング評価系は、DNA情報を活用する事で野生動物研究の制限を超え、生体レベルでの感受性評価を可能とする独創的な研究である。本研究手法は標的分子・代謝酵素を変える事で殺鼠剤以外の化学物質へも応用可能だと予想される。当該研究は従来種差の壁が阻んでいた野生動物の化学物質感受性評価を世界に先駆け可能とする環境毒性学におけるトランスフォーマティブリサーチとなり得る。
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