研究課題/領域番号 |
21K14992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
小林 宏祐 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (40876893)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | canine tumor / coagulation / tissue factos / thrombomodulin / statin / イヌ血管肉腫 / 組織因子 / トロンボモジュリン / スタチン / 凝固亢進 / イヌ悪性腫瘍 / 抗腫瘍効果 / 悪性腫瘍 / DIC / イヌ |
研究開始時の研究の概要 |
イヌにおいて悪性腫瘍に起因する播種性血管内凝固 (DIC) は致死的な病態であるが,詳細な病態は明らかでない。そこで本研究課題では,凝固促進性に働く組織因子と凝固抑制性に働くトロンボモジュリンの腫瘍細胞における発現のバランスの乱れがDICの発生に寄与しているという仮説をイヌ腫瘍症例,腫瘍細胞,およびマウスモデルを用いて検証する。同時に高脂血症治療薬であるスタチンはその両者の発現を調節する作用が示唆されていることから,悪性腫瘍に起因するDICの治療への応用性を検討する。本研究成果により,イヌにおいて予後を大きく制限している悪性腫瘍に起因するDICの病態の解明および新規治療戦略の確立が期待できる。
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研究成果の概要 |
腫瘍組織を含む様々なイヌ組織における組織因子 (TF) とトロンボモジュリン (TM) のmRNA発現量を調査した。良性腫瘍と上皮系および間葉系悪性腫瘍でTFやTM発現の差はなかった。脾臓悪性腫瘍では非腫瘤病変よりも腫瘤病変の方がTM発現が低い傾向があり,TM発現の減少により凝固亢進が形成されていると示唆された。 TFとTMの発現を調節しうる薬剤としてスタチンに着目し,イヌ血管肉腫細胞に対する作用をin vitroで検証した。その結果スタチンは細胞増殖を抑制するとともにTF発現を減少させ,TM発現を上昇させる作用を有することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々なイヌ腫瘍組織における組織因子 (TF) やトロンボモジュリン (TM) の発現を調査した報告はこれまでないため,イヌ腫瘍におけるTFやTMに関する研究の基礎的知見を提示することができた。 スタチンのTFやTMに関連した抗凝固作用をイヌで調べた報告はこれまでにない。イヌ血管肉腫において抗腫瘍,抗凝固作用を期待した治療薬としてスタチンが応用できる可能性を示せた。
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