研究課題/領域番号 |
21K14999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
大津 航 岐阜薬科大学, 薬学部, 特任講師 (50843091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エンドソーム / 視細胞 / プログラニュリン / テトラスパニン / 分泌小胞 / 網膜変性疾患 / ライソゾーム / 光障害 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性をはじめとする黄斑変性疾患は、進行性に視細胞が脱落し、最悪の場合失明に至るが、現状治療法が存在しない。特に萎縮型加齢黄斑変性では、早期診断や治療の効果を評価するためのバイオマーカーの不足や、視細胞死の詳細な分子メカニズムが未解明であることが創薬の妨げになっている。本研究では視細胞由来の細胞外小胞に着目し、申請者が開発した新規遺伝子導入技術を用い、網膜変性の分子基盤の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
視細胞特異的テトラスパニンであるペリフェリン-2は、光受容の場である外節の形成・維持に不可欠な膜タンパク質である。ペリフェリン-2の外節への輸送にエンドソーム経路が関わることが明らかになっている。プログラニュリンはリソソーム機能に関わる分泌タンパク質であり、プログラニュリン欠損マウスが網膜変性を引き起こすことが報告されている。本研究では、プログラニュリンの発現が視細胞においてペリフェリン-2などのテトラスパニンの局在に影響を与えることを明らかにした。プログラニュリンの発現低下や遺伝子欠損はペリフェリン-2の外節輸送を阻害することで外節の形態異常と視細胞変性を引き起こすと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペリフェリン-2は視細胞外節の構造に必須の膜タンパク質であることは古くから知られているものの、その外節輸送の分子基盤については完全には明らかにされていない。ペリフェリン-2の遺伝子変異は網膜色素変性をはじめ、黄斑ディストロフィーなどの様々な遺伝性網膜疾患を引き起こすため、ペリフェリン-2の正常な代謝回転は、桿体、錐体両視細胞の維持に重要であると考えられる。今回、ペリフェリン-2の輸送を制御する因子としてプログラニュリンの存在が明らかとなった。プログラニュリンやプログラニュリンが関与する細胞内分解機構は網膜疾患の新たな治療標的になり得る可能性が示唆された。
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