研究課題/領域番号 |
21K15018
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
丹野 修宏 熊本大学, 発生医学研究所, 文部科研研究員 (20898572)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 減数分裂 / 細胞周期 / 染色体 / 組換え / 発生学 / 不妊症 / 生殖医療 / 細胞周期制御 |
研究開始時の研究の概要 |
体細胞分裂を進行させるために様々な基質が分解されるが、SCFユビキチンリガーゼ複合体はその分解機構として代表的なものである。減数分裂進行において、基質分解機構は未解明な部分が多い。我々は精巣特異的に発現するSCFユビキチンリガーゼ複合体活性化因子FBXO47の基質探索を行い、同定された基質らがどのように減数分裂進行のステップに関与しているのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
減数分裂型細胞周期における基質分解機構は不明な点が多い。体細胞分裂型細胞周期の基質分解機構としてユビキチンプロテアソーム経路があり、代表的なE3ユビキチンリガーゼとしてSCF複合体(SKIP1-Cullin-F-box protein complex)が知られる。減数分裂は体細胞分裂の基質分解機構を転用していると考えられ、SCF複合体が減数分裂型細胞周期に何らかの役割を担うと推定される。 Fbxo47は減数分裂開始に決定的な役割をもつ転写活性化因子MEIOSINの下流因子の一つとして同定され、精巣で高発現しF-box domainを有することから、SCF複合体のサブユニットとして減数分裂型細胞周期に関与していると考えられた。 Fbxo47がSCF複合体にサブユニットとして機能した際の標的基質の探索のため、Fbxo47-3xFLAG-HA及びSkp1-3xFLAG-HAノックインマウスを作製し質量分析を行った。しかしながら、FBXO47の質量分析の結果からSKP1は検出されず、またSKP1の結果からFBXO47も検出されず、FBXO47は固有の働きを持つと考えられた。 一方で、Fbxo47の生理学的機能を解明するためFbxo47欠損マウスを作成したところ、精巣に明らかな縮小を認め、雄性不妊を呈した。減数分裂では減数第一分裂前期に父母に由来する2本の相同染色体が対合、交差し遺伝情報の組換えを行う。さらに詳細な解析を行ったところ、Fbxo47欠損マウスでは一旦は対合を起こすものの、早期解離が起こり交差を行えず、二価染色体の維持不全がおこり、最終的に精子形成がなされないことがわかった。相同染色体の対合の維持、解離については不明な点が多く、我々はFBXO47が減数分裂進行において対合を維持するために必須の因子であることを報告した(Tanno et al, iScience 2022)。
|