研究課題/領域番号 |
21K15026
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 裕輝 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (50879971)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | リソソーム / TOLLIP / 膜タンパク質 / ユビキチン / 小胞体ストレス / タンパク質品質管理 / 品質管理 / ERAD / ER-phagy / 小胞体 / リソソーム分解 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜もしくは細胞内小器官の膜に刺さった膜タンパク質は、私たちの体内のありとあらゆる細胞で生命機能の維持に重要な役割を果たす。しかし、小胞体における合成の段階でエラーが生じて異常な構造になってしまった不良膜タンパク質は、様々な疾患の原因となる。このような不良膜タンパク質は、リソソームに運ばれて分解されるなどして細胞内から除去されるが、その具体的なメカニズムは明らかでない。本研究では、疾患の原因となる不良膜タンパク質がどのようにリソソームへと運ばれて分解されるのか、そのメカニズムを明らかにすることを通して、疾患の原因の解明や治療戦略の提唱を目指す。
|
研究成果の概要 |
小胞体におけるフォールディングに失敗した不良膜タンパク質は有害で様々な疾患の原因になりうるため、選択的分解により除去される。小胞体において不良膜タンパク質を選択的に分解する機構にはプロテアソーム依存的なERAD経路に加え、リソソーム依存的な経路も存在するが、リソソーム経路の詳細な分子機構は不明であった。本研究では、不良膜タンパク質がアダプタータンパクTOLLIPに選択的に認識され、リソソーム分解へ導かれるという新たなタンパク質分解機構の存在を明らかにした。さらにこの経路における基質の認識機構やリソソームへの運搬機構など、詳細な分子メカニズムを解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜タンパク質のミスフォールディングは、筋萎縮性側索硬化症や遺伝性痙性対麻痺などの運動神経変性疾患をはじめ様々な疾患の原因となることが提唱されている。膜タンパク質の新規分解経路およびその重要因子を発見した本研究成果は、ミスフォールド膜タンパク質の選択的除去という、疾患の新たな治療戦略の創出に資するものであると考えられる。
|