研究課題/領域番号 |
21K15029
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齊藤 恭紀 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (10808786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 植物 / イネ / 膜タンパク質 / チャネル / アクアポリン / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡単粒子解析 / 半金属 / ケイ酸 / 穀物 |
研究開始時の研究の概要 |
ケイ素は土壌中に最も豊富に存在するミネラルであり、イネをはじめとする穀物の生育や生産性に大きく関わっている。イネは根から土壌中のケイ素をケイ酸の形で吸収し、それを利用することで生物的および非生物的ストレスに対して幅広い抵抗性を獲得している。イネの根におけるケイ酸吸収は膜タンパク質、Lsi1が担っている。Lsi1はケイ酸以外の水酸化半金属、植物に必須なホウ酸や有害な亜ヒ酸も透過する。その水酸化半金属認識機構の理解は学術的にも農業応用的にも極めて重要である。 本研究ではX線結晶構造解析によって水酸化半金属が結合した状態での穀物由来Lsi1の構造を解析し、その基質認識機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ケイ素は土壌中に多く含まれる元素で、イネ等の重要な穀物の生育や生産性を左右する。本研究課題では水酸化半金属と相互作用しているケイ酸チャネルの結晶構造を捉え、その基質認識機構を詳細に理解できるようにすることを目的とした。本研究課題はコロナ禍に見舞われ水酸化半金属と相互作用しているケイ酸チャネルの結晶構造を捉えることはできなかったが、結晶パッキングを改良するためのアミノ酸残基を絞りこむことやケイ酸チャネルのケイ酸選択性を高める変異の発見が出来た。ケイ酸チャネルのクライオ電子顕微鏡単粒子解析の条件検討も進んだ。今後これらの知見を活かしてケイ酸チャネルと水酸化半金属の相互作用を明らかにしていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
穀物のケイ酸チャネルを働けなくすると、イネは様々なストレスに弱くなり、米の収量が通常の10分の1にまで低下します。また、ケイ酸チャネルは有毒なヒ素の取り込み経路でもあることが示されてきました。そのため、ケイ酸チャネルの基質認識機構を詳細に理解して、より頑健で、有害なヒ素を取り込まない安全なイネを作出しようという流れがありました。しかし、ケイ酸チャネルとケイ酸や亜ヒ酸とが相互作用している構造は未知でした。本研究課題ではケイ酸・亜ヒ酸と相互作用しているケイ酸チャネルの構造解析をするための基礎的なデータが蓄積しました。この知見を活用し、頑健で安全なイネの作出が進むと期待されます。
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