研究課題/領域番号 |
21K15031
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
李 勇燦 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 助教 (00894932)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アミノ酸輸送体 / クライオ電子顕微鏡 / ナノディスク / 構造解析 / 生体膜 |
研究開始時の研究の概要 |
L型アミノ酸輸送体は、ロイシンやフェニルアラニンなどの疎水性アミノ酸を運ぶ膜輸送体タンパク質である。L型アミノ酸輸送体はがん細胞や脳血液関門に多く発現していることから、抗がん剤やパーキンソン病治療薬など、多様な薬物の標的とされている。本研究では、このタンパク質が本来機能する、脂質二重膜に埋め込まれた状態での構造を捉えることで、脂質環境下での分子メカニズムを解明する。また、種々の阻害剤との結合状態を可視化することにより、L型アミノ酸輸送体を標的とする抗がん剤に関する構造的知見を得る。
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研究成果の概要 |
L型アミノ酸輸送体1(LAT1)は、血液脳関門やがん細胞に多く発現するアミノ酸輸送体であり、細胞内外の必須アミノ酸、ホルモン、抗がん剤、薬物の輸送に関わっている。本研究では、LAT1による基質・薬物結合様式を理解するために、細胞の環境を模した脂質二重膜下で、クライオ電子顕微鏡による構造解析を行った。種々の基質・阻害剤との複合体を形成し、クライオ電子顕微鏡により高分解能観察することで、LAT1選択的、非選択的な薬物各種に関して、構造決定に成功した。これらの結果から、抗がん剤候補となる化合物がどの様にLAT1に結合し阻害するのか、その構造基盤が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、界面活性剤下あるいは脂質環境下で得られるLAT1の構造、とくに阻害薬の結合の挙動に大きな違いがあることが明らかとなった。これは、ここ数年で報告された膜輸送体構造全般の再解釈を促す重要な発見といえる。本研究で得られた阻害薬の作動機構に関する知見は、LAT1を標的とする薬剤候補の改良に役立つことが期待される。
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