研究課題/領域番号 |
21K15033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原田 彩佳 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (00800476)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 電位依存性K+チャネル / 膜電位依存的構造変化 / SS-locking / カリウムイオンチャネル / 立体構造解析 / 電位依存性 / SS結合 / CryoEM |
研究開始時の研究の概要 |
電位依存性K+チャネル(Kv)による膜電位の制御は、膜電位存在下の「静止構造」と脱分極時の「開構造」に起因する。しかし、膜電位存在下の「静止構造」は、従来の構造生物学的手法では解析が困難であった。 本研究では、電位センサードメインの2つのヘリックスに1残基ずつにシステイン変異を導入し、側鎖のSH基間をSS結合で架橋するSS-locking法を用いて、膜電位非存在下で「静止構造」を安定化させる。この手法を利用して「静止構造」の立体構造を極低温電子顕微鏡X線結晶構造解析により原子レベルで明らかにし、Kvに普遍的な機能発現メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
電位依存性K+チャネル(Kv)は、VSDの膜電位依存的な構造変化によって、PDのゲートを開閉する。KvAPを解析対象とし、VSDのヘリックスS1とS4にCys残基を1個ずつ導入し、これらが近接した際に形成する分子内ジスルフィド(SS)結合を検出するSS-locking解析を計25種類のDouble Cys変異体を用いて実施した。結果、得られた近接残基対は、単一の立体構造では同時に近接しえないことから、各変異体において異なるコンフォメーションがSS結合により安定化されたことを示しており、各変異体の構造はKvAPの閉状態と開状態の間の構造変化の過程を反映している可能性があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
KvAPは、真核生物由来Kvチャネルと類似した電気生理学的性質および立体構造を有することが明らかとなっているため、KvAPを用いてイオンチャネルに共通の機能構造を解明した上で、ヒトの痛覚や催不整脈性に関わるチャネルの機能・阻害機構を解明し、機能構造ごとにチャネル間を横断的に構造比較・特徴抽出することが可能となる。また、同じ機能構造・同じ部位に結合する阻害剤を同定できるため、これらのみで構造活性相関解析することにより、精度の高いファーマコフォアモデルを構築でき、各阻害機構を明らかにすることが出来る。
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