研究課題/領域番号 |
21K15038
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 隆之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (90817214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | シグナル制御 / システイン修飾 / 硫化水素 / ポリスルフィド / 硫黄代謝 / 細菌 / パースルフィド |
研究開始時の研究の概要 |
近年、硫化水素由来の活性イオウ分子種(RSS)がほぼすべての生物で機能する新しい生理活性物質として注目されている。本研究では、RSSがどのように生体内で生成されて、どのようにシグナルを伝えているかを明らかにすることを目標とする。硫化水素シグナルのマスターレギュレーターSqrRに着目し、SqrRにシグナルを伝えるRSSの種類とその代謝経路を分子レベルで詳細に解析することで、RSSのシグナル物質としての挙動とその伝達経路を解明する。
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研究成果の概要 |
活性イオウ(RSS)は、ほぼ全ての生物に普遍的な生理活性物質として機能することがわかってきたが、そのシグナル伝達機構には不明な点が多い。本研究では、光合成細菌から同定したRSS応答性転写因子SqrRを起点としたシグナル伝達機構について、RSS代謝から転写制御までの素過程を明らかにすることを目指した。その結果、SqrRを介した転写制御に関わる活性硫黄代謝酵素を複数同定し、SqrRの制御に関わる活性硫黄の細胞内動態を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、RSSの代謝系とRSSによる転写制御を結びつける重要な情報を提供し、今後のRSSシグナル研究の展開を強く推進する。また、研究材料である紅色光合成細菌はミトコンドリアの細胞内共生のもとになった細菌であり、真核生物にも共通する硫黄代謝機構をもつことが知られている。そのため、SqrRを起点としたRSSの応答機構は、RSSセンシング研究のプラットフォームとして様々な研究へ展開することが期待される。さらに、統合失調症などのRSSが関わる疾患のこれまでにない治療法の開発といった応用研究への発展も期待できる。
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