研究課題/領域番号 |
21K15044
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
前本 佑樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (90742619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 長鎖アシル化 / 細胞内膜輸送 / 翻訳後修飾 / トランスフェリンレセプター / 鉄代謝 / リジンアシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内の鉄イオンは細胞内の呼吸、核酸合成、増殖など様々な経路に必須である一方、活性酸素やフリーラジカルを生み出すことから、適切な制御が必要である。細胞内の鉄の取り込みはトランスフェリンとトランスフェリンレセプター(TfR) により行われる。 本研究ではTfRの転写、翻訳制御以外の調節メカニズムの存在を想定し、翻訳後修飾に着目した。すると質量分析解析によりTfRの細胞質ドメインに新規の翻訳後修飾を発見し、現在までに、TfRのアシル化がトランスフェリンの細胞内への取り込みに影響することを明らかにしている。本研究では新規翻訳後修飾による鉄代謝の新規制御機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では当初の計画通り、細胞内の鉄の調節に重要な膜タンパク質であるトランスフェリンレセプター(以下、TfR) のリジンアシル化を安定して検出する方法を確立することができ、アシル化がTfRの機能を抑制することが明らかになった。TfRの既存の代謝メカニズムでは急激な細胞内の鉄含量調節に対して、即効性がないことが考えられたが、本研究による翻訳後修飾による制御機構がタンパク質自体の活性に影響を与えることにより、その即効性を補強することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスフェリンレセプターは細胞内外の鉄代謝以外にもドラッグデリバリーのレセプターとしての研究など、様々な応用研究が盛んに行われている。本研究により明らかになった制御メカニズムは広く応用できる可能性を秘めている。さらにがん細胞のフリーラジカルの発生を促しフェロトーシスを起こすアルテスネートによりTfRがS-パルミトイル化されることが報告されており 、鉄誘導性の細胞死にTfRが影響を与えることも示唆されている。新たなメカニズムによるがん細胞の細胞死のコントロールできる可能性もある。また、膜貫通のタンパク質の長鎖リジンアシル化はこれまで報告がなく、世界初の発見である。
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