研究課題/領域番号 |
21K15047
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
須田 啓 埼玉大学, 理工学研究科, その他 (40899192)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | カルシウムシグナル / バイオセンサー / イメージング / 接触刺激 / ハエトリソウ / バイオイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
ハエトリソウでは接触刺激に応じて植物で最も速いカルシウムシグナルの伝達が起こる。このことは,ハエトリソウにカルシウムシグナルを高速で伝達するための何らかのメカニズムが存在することを示唆しているが,神経を持たない植物で高速にカルシウムシグナルを伝達するための情報伝達機構は未解明である。本研究では申請者らが確立したハエトリソウの形質転換技術とカルシウムイメージング技術を組み合わせて,カルシウムシグナルの伝達する組織の同定,カルシウムシグナルの細胞間伝達経路の同定,カルシウムイオンの流入経路の同定によって植物における高速なカルシウムシグナル伝達機構の新たなモデルを提唱する。
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研究成果の概要 |
植物における接触刺激に応じた高速なカルシウムシグナルの伝達機構はこれまで未解明であった。本研究では,形質転換ハエトリソウを用いてカルシウムシグナルの伝達メカニズムを解析した。その結果,カルシウムシグナルは葉身の表と裏の表皮細胞層,および,葉肉細胞の層の全てで伝播することが示唆された。また、このカルシウムシグナルは電位依存性カルシウムチャネル阻害剤で抑制されることが明らかになった。これらの結果から、接触刺激に応じたカルシウムシグナルは活動電位依存的に発生していることが示唆され,シグナルが葉身上を伝播するメカニズムの一端が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,環境刺激に応じたカルシウムシグナルの伝達機構は理解され始めているものの,接触刺激に応じたカルシウムシグナルはその伝達機構だけでなく現象に関わるメカニズムのほとんどが未解明である。今回得られた結果はカルシウムシグナルが高速で伝播するメカニズムのみならずその前段階で行われる接触刺激の受容機構や後段階で行われる運動機構のメカニズムについても新たな知見を提供するものであり,植物における接触刺激に対する応答機構の全容を解明する新たな糸口となることが期待できる。
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