研究課題/領域番号 |
21K15058
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
角山 貴昭 沖縄科学技術大学院大学, 膜協同性ユニット, スタッフサイエンティスト (90896862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 超解像顕微鏡法 / 3次元観察 / 1分子蛍光追跡法 / 細胞膜 / 神経シナプス / 細胞膜受容体 / 1分子蛍光顕微鏡法 / 3次元超解像顕微鏡法 / 神経受容体 / 3次元蛍光1分子追跡 / シナプス / 群島構造 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞のシナプスでは受容体の分布が絶えず変化しており、信号伝達の調整メカニズムの解明のために活発な研究が行われている。しかし、神経シナプスは小さく、複雑な三次元構造を持っている故に顕微鏡観察による解析には限界があった。 本研究ではその限界を打ち破るため、超高速でシナプスの3次元超解像構造と受容体の蛍光1分子追跡を同時に行う方法を開発する。我々の作業仮設は、シナプス内の受容体は従来考えられていた巨大な塊として存在しているのでは無く、小さな群島の集まりとして存在しているというモデルである。新規に開発する顕微鏡技術によって、生きた神経細胞上での動的な構造変化を1分子レベルで検証する。
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研究成果の概要 |
シナプス上では受容体は安定に存在しているということが定説であるが、我々の最近の結果から、実際には受容体は頻繁に出入りを繰り返す、ダイナミックな構造である可能性が示唆された。本研究では超高速3D超解像と超高速3D1分子蛍光追跡を同時に実行する世界でも類例のない顕微鏡システムを構築し、この仮説を検証することを目的とした。 液体レンズによる高速Zスキャンを特徴とした新規の顕微鏡システムを構築し、今までの2倍以上のZ方向の解像範囲である2μmを250 Hzの高速で観察することが可能となった。このシステムを用いて、3次元の超解像シナプスに受容体が出入りする様子を3次元で追跡することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超解像顕微鏡法や1分子蛍光観察法は今では広く用いられているが、3次元での観察となると応用例は少なく、ほとんどは固定細胞を用いたものである。特に神経細胞は複雑な3次元構造をもっており、3次元での生細胞を用いた動態の観察が重要であると考えられるが、限られた知見しか得られていない。 本研究で開発した液体レンズを用いる3次元顕微鏡システムはこの限界を打ち破るものであり、比較的安価に導入が可能で、その性能と安定性も十分なものであると証明ができた。このシステムは様々な観察系に導入することが可能で、3次元の高速観察、というニッチを補完するものであると確信している。
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