研究課題/領域番号 |
21K15062
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木下 佳昭 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (30879846)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アーキア / アーキアべん毛 / 回転 / 反転 / ゴースト / 化学走性物質 / 回転運動 / 細胞内への摂動 / 反転運動 / 回転制御機構 / 方向転換 / CheY / 精製タンパク質 / べん毛 / 化学走性 / ボトムアップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は化学走性物質によるアーキアべん毛回転制御機構を解明することである。本研究の特徴はアーキアゴーストという界面活性剤処理による透過性の残留構造を用いることである。これにより細胞内部に摂動を付与することが可能であり、化学走性物質添加によるアーキアべん毛の回転方向の変化をリアルタイムで記録できる。すなわち、これまで主流であった生細胞・変異株を組み合わせたトップダウン型アプローチではなく、精製タンパク質を用いたボトムアップ型アプローチにより回転機構を議論することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、アーキアべん毛の回転制御機構に迫る適切な機能解析系のプラットフォームを構築し、回転制御に関するパートナーの同定、および、それらのタンパク質を摂動として印加した際の反転運動を可視化することを目的としている。 本研究の主な結果は、(i) 化学走性物質の変異体は反時計から時計方向の回転に寄与、(ii) Alphafoldによるin sillico下での方向制御に関わるタンパク質の同定と実験による実証、および、(iii) 細胞内部に化学走性物質を直接的に印加することで、それに伴った反時計方向から時計方向への切り替えの様子のリアルタイム計測である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物の運動は、『宿主体内への侵入 (感染症) 』や『宿主生理機能の発現 (恒常性維持) 』など、私たち哺乳類の日常生活と深く関っている。この運動は、細胞内の化学反応などで得られた自由エネルギーを細胞外の力学的な仕事として出力する『異種エネルギー変換素子』、運動マシナリーにより駆動されており、運動制御を目的に、その作動機構が研究されてきた。運動マシナリーは、エネルギー変換効率が100%を誇るなど、医学的関心に留まらず、人工分子モーター設計といった応用の観点からも注目されている。 本研究の成果は運動方向の制御を担うメカニズムの解明であり、適切な制御から感染症といった予防効果が見込まれる。
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