研究課題/領域番号 |
21K15068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小玉 学 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70883833)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | メタボロミクス / 小細胞肺がん / がん代謝 / MTX / 6-MP / MSO / SCLC / cDDP / ATP / 薬剤耐性 / プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞の薬剤抵抗性獲得にも代謝リモデリングが必須であると考えられているが、その網羅的全体像及び決定的な機能分子の実体像は明らかとなっていない。本研究では、細胞内全代謝酵素の絶対定量が可能である次世代プロテオミクス技術であるiMPAQTシステムを駆使し、がん細胞が薬剤抵抗性獲得に必須とする代謝システムの全体像を明らかにする。がん細胞の薬剤抵抗性獲得に必須の代謝機構を阻害することで、現在に至るまで治療不可能であった化学療法後再発がんの根治とがん患者の予後延伸に貢献する新規治療法樹立を図る。
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研究成果の概要 |
小細胞肺がんの細胞3株からcDDP 耐性株を樹立し、代謝変化をモニターするためメタボロミクス解析を行った。その結果、薬剤耐性がんでは感受性がんと比較しグルコース取り込み能や核酸合成が亢進していることが明らかになった。 上記の結果から、核酸合成を効率的に阻害するため、複数の核酸合成阻害剤を併用したところ、薬剤耐性がんでは感受性がんと比較し核酸合成阻害への感受性が亢進していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小細胞肺がんは第一選択薬であるcDDPに対し一過性に感受性を示すものの、即座に抵抗性を獲得する。また小細胞肺がんでcDDP治療抵抗性を有する患者の生存予後は半年から一年前後であり、著しく予後不良である。これらの背景を踏まえ、我々はcDDP耐性小細胞肺がんの代謝解析を実施し、薬剤耐性小細胞肺がんでは感受性がんと比較し核酸合成阻害に対する感受性かが亢進していることを明らかにした。この研究結果から、核酸合成阻害を主体とした化学療法は臨床的に問題になっている小細胞肺がんのcDDP耐性を克服するための新たなる治療介入法となる可能性がある。
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