研究課題/領域番号 |
21K15076
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山中 聡士 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特定助教 (50853884)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | サリドマイド / 近接ビオチン化酵素 / CRBN / タンパク質分解 / ユビキチン |
研究開始時の研究の概要 |
サリドマイドやサリドマイド誘導体は、複合体型E3 ユビキチンリガーゼの基質認識受容体であるCRBNへ相互作用し、本来基質ではないネオ基質を分解誘導することによって、その作用を発揮している。これまでに、様々なネオ基質分解がサリドマイドの作用機序に重要であることが報告されてきたが、未解明な作用機序が存在する。これらの背景は、新たな相互作用解析技術の開発が必要であることを示唆している。本研究では、新規近接ビオチン化酵素AirID及びビオチン化タンパク質に対する質量分析を用いることによって、サリドマイド誘導体依存的なCRBNのインタラクトーム解析系の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
近接ビオチン化酵素AirIDをE3ユビキチンリガーゼに融合することで、分子糊型のタンパク質分解誘導剤依存的な相互作用解析系を構築した。サリドマイド誘導体の標的E3ユビキチンリガーゼであるCRBNへAirIDを融合することで、サリドマイドやサリドマイド誘導体依存的にネオ基質がビオチン標識可能であることを示した。さらに、質量分析を組み合わせることで網羅的に相互作用解析が評価可能であることを示し、サリドマイド誘導体のネオ基質選択性が可能であることを示した。本評価系を用いることで、サリドマイド誘導体の新たなネオ基質を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サリドマイド誘導体であるレナリドミドやポマリドミドは、血液がんの治療薬として年間約2兆円の規模で使用される代表的な低分子薬剤である。過去10年の研究から、サリドマイド誘導体はネオ基質のタンパク質分解を誘導するタンパク質分解薬であることが明らかとなった。タンパク質分解薬は強力かつ新規な薬剤の作用機序であることから、世界中のメガファーマが研究を行っている。さらに、サリドマイド誘導体の臨床的な成功から新たなサリドマイド誘導体の開発が進められている。したがって、本研究で開発された解析技術は将来のタンパク質分解薬の開発・利用において極めて重要な技術となることが期待される。
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