研究課題/領域番号 |
21K15089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
重富 健太 九州大学, 理学研究院, 助教 (90878240)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | tight junction / cholesterol / ZO / claudin / Claudin / ユビキチン化 / コレステロール / クローディン / ターンオーバー / ユビキチン / タイトジャンクション |
研究開始時の研究の概要 |
Tight junction(TJ)は、Claudinにより形成される上皮細胞のバリア機能を担う細胞接着構造である。TJの形成領域は定常的に保たれている。近年、超解像顕微鏡を用いた観察から、新規に合成されたClaudinは、TJの基底側より取り込まれ、古くなったClaudinは、頂端側よりエンドサイトーシスにより排除されるという、方向性を有するターンオーバー機構が存在することが示された。しかしながら、TJの形成領域を一定に保つ仕組みはほとんど明らかになっていない。本研究提案では、Claudinを裏打ちするZOタンパク質やユビキチンリガーゼに着目し、TJのターンオーバー機構の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
タイトジャンクションの形成には、claudinを裏打ちするZOタンパク質が必要であるとこれまで、広く受け入れられてきた。しかし、私はZOタンパク質の欠損により、タイトジャンクションを消失した細胞においても、プロテアソーム阻害剤を作用させることで、タイトジャンクションの形成が誘導されることを見出した。これは、タイトジャンクションの形成には、ZOタンパク質以外の要素が存在することを示唆している。さらなる解析を行ったところ、ZOタンパク質はコレステロールを集積させ、そのコレステロールに富んだ膜領域にclaudinが集積し、タイトジャンクションを形成するという機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タイトジャンクションの形成には、他の細胞接着構造での解析を基にした類推から、裏打ちタンパク質であるZOタンパク質とclaudinの結合が必須であると考えられてきた。しかし、本研究によって、ZOタンパク質との結合は必須ではなく、ZOタンパク質がコレステロールを集積させ、コレステロールに富んだ膜領域にclaudinが集積し、タイトジャンクションの形成に至るという、他の細胞接着構造とは異なる形成機構を有していることを明らかにした点は学術的に大きな意義があると考える。
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