研究課題/領域番号 |
21K15111
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
池田 達郎 基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 特任助教 (60803963)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | マウス / 始原生殖細胞 / 原始卵胞 / 卵母細胞 / 細胞系譜 / クローン / バーコード / 遺伝子発現 / 成熟卵 / 不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
ほ乳類の卵は新生仔期に作られた原始卵胞のストックを段階的に発育して産生される。原始卵胞は胎仔に生じた始原生殖細胞(PGC)から作られる。個々のPGCに由来する原始卵胞の数と質は不均一であることが示唆されているが、詳細は不明である。 本研究では雌マウスの個々のPGCを多様なDNA配列で標識し、その運命を総体的に追跡することにより、PGCが作り出す原始卵胞の数と質の不均一性を定量的に評価し、より多数の原始卵胞ストックを作り出すPGCの特性を探索する。
|
研究成果の概要 |
まず、マウス始原生殖細胞(PGCs)を多様なDNAバーコードで標識したのち、卵巣の発生過程におけるバーコード分布の継時変化を測定した。初期PGCsが卵巣に移動する過程、および卵巣に入ったPGCsから原始卵胞が生じる過程のそれぞれで、バーコードの削減が観察され、PGCクローンの剪定(プルーニング)が示唆された。一方、初期PGCsのクローンの単位では卵巣に入った後はクローンのレパートリーが維持された。 また、バーコード標識した卵巣PGCsのバーコードと遺伝子発現をシングルセル同時測定した。クローンと相関した遺伝子発現の偏りが検出され、この差が原始卵胞の質の違いにつながる可能性が提起された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で雌のPGCsが原始卵胞ストックそして次世代を作る過程をクローン解像度で明らかにしたことで、クローンの動態が雌性生殖細胞の発生と遺伝に与えるインパクトを調べる基礎ができた。また、由来するPGCクローンに依存して生殖細胞の質が変わる可能性を示すデータを得て、新たな問いを提起することができた。 ヒトや他の資源生物においても原始卵胞の質とクローナリティは妊孕性や遺伝の原理に直結する重要な問題である。本研究によるマウスをモデルとした雌性生殖系列のクローン動態の理解は、不妊治療や育種技術の改良に貢献して将来的に社会に還元されると期待できる。
|