研究課題/領域番号 |
21K15117
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木全 祐資 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (10893307)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 細胞極性 / 胚発生 / トランスクリプトーム / ライブイメージング / シロイヌナズナ / 体軸形成 |
研究開始時の研究の概要 |
体軸形成は多細胞生物の発生の根幹をなす過程である。応募者らは、植物の受精卵をライブイメージングすることに世界に先駆けて成功し、細胞内のダイナミックな変化が、受精卵の不等分裂の駆動力になるという、体軸形成の起点となる動態を見出した。しかしながら、「細胞内の動態はどんな因子によって制御されるのか」という分子機構はいまだ謎に包まれている。 そこで本研究では、受精卵の不等分裂の過程における網羅的な遺伝子発現解析を実施し、これに受精卵の詳細なライブイメージングを組み合わせることで、「どんな因子が・いつ・何を・どのように制御することで不等分裂に至るか」という、体軸形成の初期過程の全体像を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
受精卵の不等分裂は植物の上下軸形成に必須であるが詳細な分子機構は不明である。そこで我々は、分裂後の受精卵を顕微鏡下で単離しRNA-seq解析することに成功した。受精後の転写が異常な変異体でも実施して野生型と比較したところ、変異体では200程度の遺伝子の発現量が低下していることを突き止めた。変異体で発現低下した遺伝子のうち、不等分裂に関わる可能性が高いと考えられるものを選抜し、遺伝子破壊株の表現型を観察したところ、いくつかの欠損株では受精卵の不等分裂が損なわれた。今後はこれらの遺伝子の具体的な機能について、ライブイメージング解析で調べることで、不等分裂の分子機構の解明につながると期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の体軸形成過程では、受精後にどのような遺伝子が働いて受精卵を不等分裂させるのかがほとんど不明であった。我々はトランスクリプトーム解析に基づく逆遺伝学的な解析から、植物受精卵の不等分裂を担う実働因子の候補を同定することに成功した。今後、これらの遺伝子の具体的な機能を解明することで、植物全体に共通した形作りの制御機構の理解や、胚発生の人為的な制御も可能になると期待できる。
|