研究課題/領域番号 |
21K15120
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
吉田 英樹 福島大学, 食農学類附属発酵醸造研究所, 特任助教 (10814353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 発芽 / GWAS / ゲノム / 植物ホルモン / シグナル伝達 / アブシジン酸 / 転写制御因子 |
研究開始時の研究の概要 |
発芽は、植物の一生において最も重要なイベントの1つである。様々な環境で初期生育を達成するために、植物は最適なタイミングで発芽する機構を進化させてきた。適切な発芽管理は農業的にも重要であり、特に種子を収穫する穀物植物においては直接収量に関わる。本研究では最近確立されたGWASシステムを用いて、世界的に栽培されている穀物植物であるイネにおいて温度依存的な発芽調節機構を明らかにすることを目的に研究を行う。
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研究実績の概要 |
植物の一生において最も重要なイベントの一つである発芽について、食糧生産において非常に重要な穀物であり、モデル植物であるイネを材料として、温度依存的な発芽調節機構についてGWASを用いて解析することを本研究課題の目的としていた。 これまでに、イネ164品種の15℃条件および30℃条件における発芽の程度を表現型としたGWAS解析により、11番染色体に座上する遺伝子GF14hにおける4bpのindelがが温度依存的な発芽調節に関わることを見出した。さらに、GF14hがbZIP型転写因子OREB1およびペプチドホルモンとして機能するHd3aと同じファミリーに属するMFT2と三者複合体を形成すること、そしてOREB1の転写活性化能をGF14hが阻害し、MFT2はさらにそのGF14hによる転写抑制能を阻害することを見出した。さらに形質転換植物を用いて、GF14hがアブシジン酸(ABA)シグナル伝達を介して30℃において発芽調節に関わることを明らかにした。 本年度において、GF14hがOREB1のC末端のリン酸化部位を認識することでOREB1と結合することが、上述のGF14hならびにMFT2によるOREB1の転写活性化能の制御に関わっていることを明らかにした。一方で、これらの結合自体は温度変化には依存していないことから、GF14hの機能の温度による変化は、アブシジン酸シグナル伝達の温度依存性に依ると推測した。上述のOREB1-GF14h-MFT2モジュールによる転写調節メカニズムおよび発芽制御におけるGF14h遺伝子の機能を明らかにした論文を「Nature Cummunications」誌に投稿し、掲載された。 GWASを行うために収集したイネの多型情報、ならびにGWAS解析のために収集したイネ品種の表現型解析によりABAシグナル伝達に関わると思われる新規関連遺伝子および多型情報を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
OREB1-GF14h-MFT2によるOREB1のリン酸化を介した三者複合体形成とその転写調節メカニズムおよび発芽制御におけるGF14h遺伝子の機能を明らかにした論文は学術雑誌に掲載されるに至っており、さらなるABAシグナル伝達因子とGF14h-OREB1-MFT2モジュールとの関連性についての解析に研究が進んでいることは当初の計画以上に本研究が進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
GWASを行うために収集したイネの多型情報、ならびにGWASのために収集したイネ品種の表現型解析によりアブシジン酸シグナル伝達に関わると思われる遺伝子および多型情報を取得している。アブシジン酸応答が当該多型で変化する可能性を予備実験から見出していることから、本研究計画の発展的研究として当該新規アブシジン酸関連遺伝子とGF14h-OREB1-MFT2モジュールとの関連性について検討を進める。
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