研究課題/領域番号 |
21K15131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
野村 真未 山形大学, 理学部, 助教 (40770342)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 珪藻 / 有孔虫 / バイオミネラリゼーション / シリカバイオミネラリゼーション / 共生 / 珪酸 / 単細胞RNAseq |
研究開始時の研究の概要 |
珪藻は、人類の加工技術を超えた微細で精巧な珪酸質の被殻を形成する。珪藻の被殻は細胞内の特殊な小胞内に珪酸が沈着することで形成される。さらに、細胞骨格がその小胞の形を制御することによって被殻形態が決定される。しかし、実際にどの様なタンパク質が関与しているかは明らかになっていない。本研究では、有孔虫に共生する珪藻という、珪酸質の被殻形成をOFFからONに切り替えることが可能な画期的な系を用い、遺伝子発現の経時変化を単細胞RNAseqにより解析する。候補に上がった被殻形成関連遺伝子の局在および機能解析を行い、珪藻の被殻形成分子メカニズムの一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
珪藻は人類の加工技術を超えた微細で精巧な珪酸質の被殻を形成するが、実際にどの様なタンパク質が関与しているかは明らかになっていない。本研究では、有孔虫に共生する珪藻という、珪酸質の被殻形成をOFFからONに切り替えることが可能な画期的な系を用い、遺伝子発現の経時変化を単細胞RNA-seqにより解析することを目指した。まず、有孔虫共生珪藻の培養株を作成するため、2種の珪藻共生性有孔虫を沖縄県と静岡県にて採集し、有孔虫細胞内から共生珪藻を取り出した。現在、粗培養ではあるが、培養に成功している。今後、種同定および単細胞RNA-seqのリファレンス配列を取得する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
珪藻は海洋の一次生産の約20%を占める程のバイオマスをもち、珪藻による珪素循環は生態学的に非常に大きな影響を及ぼす。つまり、珪藻におけるシリカバイオミネラリゼーションのメカニズムを明らかにすることは、地球規模の物質循環を理解するうえでも重要であると言える。本研究において、2種の底生性有孔虫から共生珪藻を取り出し、クローンではないものの、培養に成功したことは海の生態系理解において非常に大きな成果である。今後、今回確立された有孔虫共生珪藻培養株のRNA-seqを行い、本珪藻株が新規系統であるのかを含め解析を行うことで、多様性の理解につなげたい。
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