研究課題/領域番号 |
21K15140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
中城 光琴 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60824795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 生殖 / 神経内分泌 / 神経ペプチド / 性行動 / イソトシン/バソトシン / メダカ |
研究開始時の研究の概要 |
動物において重要な機能である生殖には、個体が生殖可能な状態になるための生殖腺機能調節と、交配相手の獲得や競争相手の排除のための性行動、攻撃行動の協調的制御が必須とされているが、その脳内メカニズムは未解明である。本研究では、これらの行動制御に寄与する可能性のある生理活性物質を産生する神経細胞の、脳内での制御機構を解析するとともに、これらの神経活動を人為的に促進させた際の個体の行動変化を解析する。
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研究実績の概要 |
動物において重要な機能である生殖には、個体が生殖可能な状態になるための生殖腺機能調節と、交配相手の獲得や競争相手の排除のための性行動、攻撃行動の協調的制御が必須とされているが、その脳内メカニズムは未解明である。本研究では、これらの行動制御に寄与する可能性のある生理活性物質、イソトシンおよびバソトシンを産生する神経細胞の、脳内での制御機構を解析するとともに、これらの神経活動を人為的に促進させた際の個体の行動変化を解析する。また、性行動、攻撃行動等の社会性行動制御に寄与すると近年示唆されてきている上記以外の神経ペプチドについて、関連するニューロンの解析を行う。本年度、本研究ではまず、真骨魚類に属する小型魚類であるメダカを用い、メスの性行動に寄与するとされるニューロンについて、蛍光タンパク質による同ニューロン群の可視化がなされている遺伝子組換え系統と、同ニューロン群が発現する特定の受容体が機能不全となっている、受容体遺伝子のノックアウト系統を交配・継代・選別することで、両系統の性質をあわせ持つ系統を確立した。また、可視化した同ニューロン群の神経活動動態の記録を行う神経生理学的な実験に着手した。さらに、本年度から所属研究室に導入された小型魚類用の自動行動解析システムを用い、性行動への寄与が示唆されている複数の神経ペプチド、およびその受容体遺伝子のノックアウト個体の性行動解析を行った。現在、一部の系統の個体については性行動に異常をきたしていることを示唆するデータを得た上で、学会発表、投稿論文等の成果報告の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経生理学的な解析に用いる遺伝子組換え・ノックアウト系統の確保、維持については概ね完了している。一方、解析対象であるニューロンの神経生理学的な実験手法による記録の取得については、ある程度の進捗は得られたものの、主に現行の機器・機材の操作性等の技術的な問題により依然難航している。しかし、所属研究室に導入された新たな機器の利用により、今後打開できる見通しである。また、当該研究課題とは別の研究課題を優先して推進する必要があったことも進捗の遅れの一因である。 そこで、本研究課題の次なる方針として、所属研究室が保持する小型魚類の行動解析システムを利用し、性行動解析を優先的に進め、性行動の解析プロトコルを整備した。そして、同プロトコルに則り複数の系統の性行動解析を行った結果、あるノックアウト系統について性行動の異常を見出した。神経トレーサー等を用いた神経細胞の投射部位の解析等、組織学的な解析についても現在進行中である。これらのデータを中心に、本研究課題に関連するこれまでの実験結果をまとめ、投稿論文の執筆や、必要な追加の実験データの取得等の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
神経生理学的実験は次年度以降、引き続き条件検討による操作技術の向上と、新たに導入された機材の利用を検討することで問題解決を図る予定である。 また、神経トレーサー等を用いた神経細胞の投射部位の解析等、組織学的な解析も継続して実施する。 さらに、次年度以降の長期的な実験計画として、光刺激による時期特異的な解析対象のニューロンの刺激を行うための遺伝子組換え系統を新たに樹立するべく準備を進めていく方針である。 上記の実験結果も含め、これまでの研究成果をまとめ、学会発表・投稿論文の準備を進めていく。
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