研究課題/領域番号 |
21K15141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 甲南大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
岡畑 美咲 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特別研究員(RPD) (20880561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | C. elegans / 高温馴化 / 線虫 / 高温順化 / hadh / ミトコンドリア / 温度 / 3ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素 / ミトコンドリア分子 / 脂肪酸代謝 / 低温耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
温度は地球が誕生して以来、常に存在する環境情報であり、動物は温度変化に適応することで生存してきた。現代社会においても地球温暖化は人類が抱える問題のひとつであり、90年後には温度上昇に適応できずに約100万種の動植物が絶滅の危機に瀕するといわれていることから、生体の温度適応機構の解明は重要なテーマである。本研究では、線虫C. elegansの高い温度への馴化に関わるミトコンドリア分子の解析を進め、その温度順化への役割を明らかにする。また、温度順化時の様々な生理的変化を最新の遺伝子によってコードされるインジケーターを用いて解析する。
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研究成果の概要 |
動物が温度変化に適応するメカニズムの解明を目指して、線虫C. elegansの高温馴化現象の解析を行なった。RNAシーケンス解析から、温度上昇時に発現が増加するHADHに着目した。HADHはミトコンドリアにおいて脂肪酸代謝のβ酸化に関わることが知られていたが、温度応答に関わるかはわかっていなかった。hadh変異体は高温馴化異常を示したため、hadh変異体が高温馴化を制御する組織の絞り込みを行なった。HADHは腸とニューロンで発現し、ニューロンで野生型hadh遺伝子を発現させることで変異体の異常が回復した。このことから、HADHはニューロンで機能することで高温馴化を制御することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度は常に存在する重要な環境情報であり、動物は温度変化に適応する生体メカニズムを備えている。体温調節機能の異常は熱中症やヒートショックなどを引き起こすことから、温度に馴れる仕組みを明らかにすることにより、温度に関わる疾患の解明につながると考えられる。本研究では、モデル動物である線虫C. elegansを用いた温度応答解析から、ミトコンドリアの脂肪酸代謝に関わるHADHが神経系で温度応答を制御することを明らかにした。HADHが温度応答に関わるという報告は本研究によって初めて明らかになったことから、今後解析を進めることにより、温度応答に関わる新規メカニズムの解明が期待される。
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