研究課題/領域番号 |
21K15153
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2023) 創価大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
酒井 博之 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 基礎科学特別研究員 (90845009)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | DPANN / Nanobdelltati / 共生微生物 / アーキア / 好熱好酸性菌 / 極限環境微生物 / 微生物間相互作用 / Sulfolobales / 酸性温泉 / 寄生 / 共生 / 好熱好酸性アーキア / 共生アーキア / 温泉微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生物界最小クラスの細胞を持つ共生アーキアとして知られるDPANNアーキア培養株を可能な限り確立し、共生機構を解明することを目指す。酸性温泉試料を分離源として、1)メタゲノムDNA解析法を用いた生息域の探索、2)培養株の取得および公的菌株保存機関への寄託、3)宿主との共培養下におけるDPANNアーキアの生理性状解析および形態解析、4)全ゲノム解析、トランスクリプトーム解析およびプロテオーム解析を用いた共生機構の解明を実施する。
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研究成果の概要 |
DPANN群は生理・生態・進化の観点から微生物生態学分野において最も注目されている系統群の1つであるが、培養株が限られており、生理生態はほとんど未知である。本研究では、DPANN群の生理生態を解明していくための研究基盤を構築する事を目的として、(i) DPANNアーキア培養株を確立し、(ii) 培養性状を詳細に明らかにし、(iii) 共生機構の解明を目指して研究を行った。その結果、9株のDPANNアーキアを培養することに成功し、そのうち1株(YN1株)について、詳細な培養性状・細胞形態・ゲノム性状を決定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DPANN群は2013年に提唱されたアーキア多様性の約半分を占める巨大系統群であるが、これまで培養報告が10件しかなく生理生態はほとんど未知である。培養に依存しない手法を用いた多くの研究により、生理・生態・進化的な側面から様々な議論がなされているが、それらの多くは推測の域を出ないため、培養株を用いた実験的検証が望まれている。本研究は、わずか3年という研究期間で、9株もの新規DPANNアーキア培養株を確立した。本研究の学術的・社会的意義は、多くの培養株を確立したことで、今後、実験室内での検証が可能となり、最終的にはDPANN群の未知の生理生態を解明することへとつながる点にある。
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