研究課題/領域番号 |
21K15156
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
鹿島 裕之 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 研究員 (70780914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 電気合成 / 光合成 / 化学合成 / カソード反応 / ガルバニック腐食 / 微生物電気化学 / 現場反応実験 / 電気化学 / 極限環境微生物 / 海洋微生物 / バイオフィルム / 細胞外電子伝達 / 電気微生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
地球における全ての生命活動は光合成と化学合成による1次生産で支えられていると考えられてきたが、環境中では生命が利用可能な電気エネルギー(環境電流)が確認され、これを利用した電気合成微生物活動が予見されている。電気合成による1次生産の実証は、生命の新たなエネルギー獲得様式の発見として期待されるが、明確な電気合成微生物活動の報告はほとんど無く、その環境中での実態も未解明である。そこで本研究では、海洋環境を対象に電気合成反応を行う微生物を探索する。独自開発した環境中での電気集積培養法とオミクス解析を統合し、海洋環境中に潜在している電気合成微生物とその代謝分子機構を特定する。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度に引き続き現場電気集積培養実験で得られた集積微生物群集のメタゲノム解析を実施して電気合成代謝経路の理解を進めたとともに、現場電気集積培養実験の実施範囲を広げるための方法論の改良を行った。 これまで、ガルバニック腐食反応を利用して外部電源に頼らず不活性電極のカソード分極を作出する装置を開発し、これを使って深海底を含む海洋環境において電気合成微生物の現場電気集積培養を行ってきた。今年度はこの装置を改良し、淡水環境でも安定してカソード分極を引き起こして現場電気集積培養を行うことができる方法を開発した。具体的には、従来の装置では河川など淡水環境では安定したカソード分極が起きないことが分かっていたが、この原因は電気伝導度の低い淡水溶液中では金属腐食アノードでのガルバニック腐食反応の進行が妨げられることでカソード分極強度が制限されることに因るものと見出した。さらに、この問題を解決する方法を検討し、内部を模擬海水などの高電気伝導度電解液で満たし外部との液絡を設けたアノード槽を設けその中に金属腐食アノードを配置することで、淡水中でも安定してカソード分極を維持できるようになった。この改良により、現場電気集積培養実験を実施して電気合成微生物の探索を行う環境の範囲が、河川などの淡水環境に拡張できる見込みとなった。この、外部電源に頼らず不活性電極のカソード分極を作出する方法は、今年度の成果を含めて特許化の準備を進め、来年度初頭に特許出願する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本課題では、複数の環境サイトにおいて現場電気集積培養実験を行い、それぞれの環境サイトで電子供給依存的に優占する集団の系統・代謝機能を比較することで、環境と電気合成微生物活動の多様性について考察を試みることを計画していたが、課題の1年目と2年目に新型コロナウイルス感染症の影響で予定していた現場電気集積培養実験が実施できなかった。今年度は社会活動制限が無くなり現場電気集積培養実験を進めることができたが、例えば深海底サイトでの現場実験は現場培養サンプルの回収に至っていないなど、現場電気集積培養実験の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
進捗が遅れている現場電気集積培養実験を実施し、回収したサンプルのメタゲノム・メタトランスクリプトーム解析を実施し、電気合成環境依存的に集積する微生物集団の系統と代謝機能を解析する。サンプルの解析は、これまでに成功した沿岸環境サイトサンプルの解析方法を適用する。深海底での現場実験は作業機会が限られ、年度内にサンプル回収ができない可能性もあるため、アクセスが容易な環境での現場実験も実施する。具体的には、今年度の技術改良で淡水系での安定したカソード集積培養が可能になったため、河川または湖沼での現場実験を実施したい。
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