研究課題/領域番号 |
21K15179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 筑波大学 (2021) |
研究代表者 |
柏木 光昭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40879285)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マウス / 睡眠 / 化学遺伝学 / レム睡眠 / ノンレム睡眠 / Cre / アデノ随伴ウイルス / 脳幹 |
研究開始時の研究の概要 |
レム睡眠のメカニズムは現在でも理解に乏しい。私は最近、脳幹橋においてレム睡眠誘導を担う神経回路の同定に成功した。本研究ではこの予備的知見に基づき、レム睡眠制御に重要な“神経回路・神経伝達物質・分子”の解明を試みる。本研究による未知のレム睡眠の神経・分子メカニズム発見により、医療応用に加え、神経科学上の大きな謎であったレム睡眠の意義の考察・再検証へと発展する可能性も期待される。
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研究実績の概要 |
哺乳類の睡眠はレム(Rapid Eye Movement)睡眠とノンレム(non-REM)睡眠という2つのステージから構成される。ノンレム睡眠中には大脳皮質がゆったりと同期した活動を示し徐波と呼ばれる脳波が観察され、ノンレム睡眠中の徐波は記憶の固定などの機能に関わることが示唆されている。その一方、レム睡眠中の大脳皮質の神経細胞は覚醒時と同様に活発な活動を示し、さらにレム睡眠中は急速な眼球運動を伴うなど末梢でも大きな変化が起きる。 睡眠の神経基盤を明らかにしようとこれまで数多くの研究が試みられてきた。本研究ではその中でも理解に乏しいレム睡眠を制御する神経回路の遺伝学的同定を試みた。古典的な薬理・破壊実験からレム睡眠制御に重要とされる橋に着目した。橋で遺伝子組み換え酵素Creを発現するマウスを作製し、Cre依存的にジフテリア毒素を発現するアデノ随伴ウイルスベクターを用い同神経細胞を除去し脳波筋電図解析により睡眠を観察したところ、レム睡眠とノンレム睡眠量が減少していることがわかった。また、神経投射パターンに着目し、その投射先ごとに化学遺伝学を用い活動操作を行った。その結果、レム睡眠とノンレム睡眠の誘導を担う神経細胞の投射先は異なることが分かった。レム睡眠の誘導を担う細胞の上流で働く脳領域の同定にも成功し、さらにはその分子マーカーの同定にも成功した。以上の結果から本研究ではレム睡眠とノンレム睡眠を誘導する新規な神経回路を明らかにすることができた。現在、これらの成果を投稿し査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レム睡眠を誘導する橋の神経細胞のさらに上流で働く脳領域とその分子マーカーを同定できたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにレム睡眠とノンレム睡眠の誘導を担う新規な神経細胞集団を同定できた。今後はこれまでに得た知見をもとに、レム睡眠中に生じる大脳皮質の神経細胞の活性化のメカニズムの解析や、レム睡眠中の急速眼球運動など末梢で起こる現象のメカニズムの解析を進める。
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